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最終更新日:2024年4月22日

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人種とジェンダー

脱帝国主義/植民地主義のために 東アジアにおけるレイシズムと〈ヘテロ〉セクシズムの交差
【授業の概要】
「思想が強い」「多様性を認めない立場も多様性として承認されるべき」「災害時に生理用品を提供しろと主張するのはわがままだ」といった主張がSNSで見られますが、こうした見解はしばしば差別解消を求めるマイノリティの声を抑圧する構造の中で(発話者の意図とは関係なく)政治性を帯びます。そもそも特定の主張に対して「思想が強い」とか「わがまま」などといって黙殺を呼びかけるとき、発話者はみずからの政治的立場をどのように認識しているのでしょうか。

この授業では、差別とは何か、マジョリティ/マイノリティとはどのような概念であるかを説明したうえで、レイシズム(「人種差別」と訳されることもありますが「人種主義」とします)と〈ヘテロ〉セクシズム(「異性愛主義」としましょう)について講義をします。これらの基本的な知識を踏まえたうえで、日本を事例とし、近代化の過程で「人種」や「民族」といった言説がどのように活用されてきたか、それが〈ヘテロ〉セクシズムと結びついて大日本帝国の建設や植民地主義といったプロジェクトにいかなる貢献をもたらしたか、さらにはこれらの歴史が現代の東アジアにどのような影響を及ぼしているかを批判的に考察します。

講義では東アジアの近現代史を扱いますが、日本史や世界史の専門的な知識がなくても理解できるよう授業を設計します。不安や疑問があれば初回の講義で確認してください。

【授業の目標】
レイシズムや〈ヘテロ〉セクシズムとそれに関連する重要な概念について基礎的な知識を習得すること、東アジアの帝国主義/植民地主義の歴史を学ぶこと、そのうえで脱帝国主義/植民地主義のプロジェクトへの参与を促します。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31453
CAS-GC1B24L1
人種とジェンダー
福永 玄弥
S1 S2
木曜2限
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講義使用言語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
以下は現時点での授業計画です。履修者の関心等に応じて修正・変更になることがあります。 第1回:ガイダンス+導入(「性的同意」をめぐる政治) 第2回:「特権」とマジョリティ 第3回:ネーション、エスニシティ、ナショナリズム 第4回:〈人種〉の構築とレイシズム 第5回:〈ヘテロ〉セクシズム 第6回:帝国主義・植民地主義とは何か 第7回:「慰安婦」問題(1)「買春する帝国」の誕生 第8回:「慰安婦」問題(2)ドキュメンタリー映画の鑑賞 第9回:「慰安婦」問題(3)移行期正義の実現のために 第10回:歴史修正主義/歴史否定論を批判する(1) 第11回:歴史修正主義/歴史否定論を批判する(1) 第12回: インターセクショナリティ 第13回:脱帝国主義あるいは東アジアの〈和解〉のために
授業の方法
初回のガイダンスはZoom(リアルタイム)でおこないます。アドレスは1週間前までにここに掲示します。2回目以降は対面講義で進めます。
成績評価方法
成績評価はリアクションペーパー(各30%)と期末レポート(各70%)でおこなう。各項⽬の説明については以下のとおり。 ・リアクションペーパー:講義の内容に関するコメントや質問など(300-1,000字) ・期末レポート:講義の内容に関連するテーマを自由に選択して論述する(3千字程度) 履修に際しては、以下(後半掲載)の「履修上の注意」の項目をよく読むこと。
履修上の注意
*重要 この講義のテーマや内容について学ぶ意思を持たない学生の履修は歓迎しません。リアクションペーパーに、差別的な内容を含む発言や主張が見られた場合は注意をおこないます。たび重なる注意にもかかわらず同様の発言が継続して見られる場合は、単位を認めないことがあります。この点をよく理解したうえで履修を決めること。