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最終更新日:2023年3月15日
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比較思想
イスラム教の形成
近年、中東における地域紛争がシーア派対スンナ派という宗派対立の枠組みで語られるケースが増えている。イランを中心とする諸国家とサウディアラビアなどの国々との間の国家対立に宗派の問題が重ね合わせられることもある。このような単純化された枠組みが信用に値するものでないことはすぐに分かるだろうが、シーア派とスンナ派の宗教上の争点は何か、その争点が政治とどのように関わり合っているのかについてはそれほど知られているわけではない。
本授業では、ユダヤ教、キリスト教という同系統の宗教と比較しながら、預言者ムハンマド没後に生まれた幾つかの争点を巡る思想史を追い、それらの争点がシーア派、スンナ派といった宗派の形成にどのように関わっていったのかを分析し、ユダヤ教、キリスト教と一線を画すイスラム教思想史の特徴を明らかにする。その上で最終的には、最初期のイスラム思想と現代のそれとの異同を明確にすることを通じて、現在のイスラム教イメージを相対化する視座を獲得してもらいたい。
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