学部前期課程
HOME 学部前期課程 総合工学基礎Ⅰ
過去(2022年度)の授業の情報です
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2024年4月22日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

総合工学基礎Ⅰ

核融合実験基礎講座-人工太陽は創れるか?-
 海水中の重水素の原子核を融合して無尽蔵のエネルギーを得る核融合エネルギー開発は、いわば人工太陽の研究といえます。エネルギー問題の最終解と位置づけられる人工太陽=核融合開発は、ようやく実用炉が見渡せる段階となり、現在、工学実証のための国際熱核融合炉ITERを建設する一方で、その先にある経済性の高い原型炉の開発が進み,この数年はベンチャー企業まで生んでいます。
 この授業は、講義と実験を組み合わせた「新しいタイプの核融合エネルギー開発の入門授業」といえます。
 講義では、核融合炉の原理、特に核融合炉の心臓部である炉心プラズマ閉じ込めと関連技術について理解を深めると共に、軽水炉に対抗しうる経済性の高い核融合炉実現へ進むための最新の研究動向について紹介します。
 また、専門に進むための入門実験として東京大学本郷の核融合プラズマ閉じ込め実験を実際に体験し、プラズマの振る舞いについて考えてもらいます。美しく輝くプラズマの挙動を観察し、考える中で、核融合エネルギー開発の現状と将来について理解を深めていただければ幸いです。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31405
CAS-GC1D86L1
総合工学基礎Ⅰ
小野 靖
S1 S2
金曜2限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
YES
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
 講義では、人工太陽=核融合エネルギー開発の現状と技術展望について実例を交えつつ講義を行います。講師はいずれも核融合を研究している専門家で,今回はプリンストン大学教授も1,2回担当します。核融合炉の原理は?核融合研究はどこまで進歩したか?将来の課題は何か?など重要ポイントに絞った講義を行います、講義と実験の組み合わせにより各自の問題意識が一歩進んだものに変わるはずです。 予定しているカリキュラムは以下の通りです。 講義(4月〜5月駒場キャンパス) 1)人工太陽=核融合エネルギー開発とは? 2)人工太陽成立の要件は何か?  3)プラズマ閉じ込めの原理  4)核融合プラズマの安定性と閉じ込め 5)核融合炉工学技術 6)経済的な核融合炉を実現するには? 実習(6,7月本郷キャンパス)7/25, 7/26 1)小型プラズマ閉じ込め実験 2)大型トカマクプラズマ閉じ込め実験  急増する世界のエネルギー消費と地球環境に対する意識の高まりから、人工太陽=核融合エネルギーはその最終解として大きな注目を集めています。ニュートンでは2015年1月,日経エレクトロニクスでは2015年2月に特集が組まれました(本郷の実験設備が載っています)。CO2ゼロエミッションに不可欠な要素として核融合が注目されています(日本経済新聞2021年8月7日)。講義では、注目される最近の話題が網羅される予定です。この授業は、講義と実験を組み合わせた新しいタイプの核融合エネルギー開発の入門授業といえます。核融合エネルギー開発、炉心プラズマの専門へのステップとしていただければ幸いです。
授業の方法
 講義と実験によって構成される新しいタイプの授業を受講していただきます。  講義は、板書と毎回配付する資料、プロジェクターを用いて行います。  実験は、学生さんが比較的自由に運用できる小型プラズマ閉じ込め実験装置と研究用の大型核融合プラズマ閉じ込め実験設備の両方を用います。  また、核融合エネルギー開発の最前線を見ていただくため、状況が許せば,核融合プラズマ実験設備の見学および運用を企画する予定です。
成績評価方法
7月8日に実験,製作課題について説明します。7月30日,31日は授業で教えた範囲について30分程度の確認テスト(要勉強)と2日間をかけた学生実験を行います。評価は7月30日の確認テストと出席,実験レポートで行います。
履修上の注意
7月30日,31日は,10:00-17:00に実験・確認テストを行いますので,日程確保が必要不可欠です。 連絡先:工学部電気電子工学科 小野靖 *****
実務経験と授業科目の関連性
人工太陽・核融合エネルギー開発の実験研究に従事し,核融合ベンチャー企業や国際熱核融合炉計画にも参加する研究者による人工太陽・核融合に関する講義