講義では、人工太陽=核融合エネルギー開発の現状と技術展望について実例を交えつつ講義を行います。講師はいずれも核融合を研究している専門家で,今回はプリンストン大学教授も1,2回担当します。核融合炉の原理は?核融合研究はどこまで進歩したか?将来の課題は何か?など重要ポイントに絞った講義を行います、講義と実験の組み合わせにより各自の問題意識が一歩進んだものに変わるはずです。
予定しているカリキュラムは以下の通りです。
講義(4月〜5月駒場キャンパス)
1)人工太陽=核融合エネルギー開発とは?
2)人工太陽成立の要件は何か?
3)プラズマ閉じ込めの原理
4)核融合プラズマの安定性と閉じ込め
5)核融合炉工学技術
6)経済的な核融合炉を実現するには?
実習(6,7月本郷キャンパス)7/25, 7/26
1)小型プラズマ閉じ込め実験
2)大型トカマクプラズマ閉じ込め実験
急増する世界のエネルギー消費と地球環境に対する意識の高まりから、人工太陽=核融合エネルギーはその最終解として大きな注目を集めています。ニュートンでは2015年1月,日経エレクトロニクスでは2015年2月に特集が組まれました(本郷の実験設備が載っています)。CO2ゼロエミッションに不可欠な要素として核融合が注目されています(日本経済新聞2021年8月7日)。講義では、注目される最近の話題が網羅される予定です。この授業は、講義と実験を組み合わせた新しいタイプの核融合エネルギー開発の入門授業といえます。核融合エネルギー開発、炉心プラズマの専門へのステップとしていただければ幸いです。