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最終更新日:2026年3月16日

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性と身体Ⅰ

障害学(Disability Studies)
 この授業では、障害学(Disability Studies)を通じて、障害をめぐるさまざまな社会現象を取り上げ、障害について批判的に考えます。すなわち、この授業で学ぶことは、障害を克服することや、障害に対する適切な支援の方法ではありません。そのもっと手前にあること、多様で、複雑で、厳しく、豊かな経験が、なぜ「障害」という言葉でまとめてくくられるのか、なぜ「障害=治療/支援の対象」とみなされるのかと問いかけることから出発します。そして、「障害」をめぐるさまざまトピックに触れながら、「障害」をより豊かで開かれたものとして想像することに取り組みます。
 授業では、障害コミュニティの歴史と経験を、(1)地域で生きること、(2)優生思想、(3)アクセスの3点の観点から取り上げます。とくに障害者運動を紹介しながら、障害コミュティがどのようにして障害をめぐる力学にあらがい、豊かな知恵や生き方を作り出してきたのかを学びます。このことはさらに、障害をジェンダー、セクシュアリティ、人種、資本主義、植民地主義との複雑な関係のなかで認識することにもつながっています。なぜなら「障害」は、他のマイノリティグループへの抑圧を正当化するのに用いられてきましたし――たとえば「ヒステリー」の語源は「子宮」です――、だからこそ障害女性をはじめさまざまな人によって「障害」を横断してつながる取り組みも行われてきました。
 以上を通じて授業では、「障害」を実際にある歴史や経験といった社会的文脈のなかで捉えながら、障害をめぐる認識を批判的に問い直します。このことは、社会や学知がもつ認識を捉え返し――そして障害学さえも批判しながら――、どのようにして現状とは異なる生き方や社会を想像することができるのかを一緒に考える基盤づくりに取り組みます。
この授業の目標は、みなさんが障害について批判的に考えることができるようになることです。この目標を、以下の3点に取り組みながら達成します。
(1)障害学の基本的な発想を理解すること
(2)障害をめぐる歴史・社会的文脈を具体的に理解すること
(3)障害について、自分自身の考え方を組み立て、表現すること
この授業では、障害学の考え方をもとに、絶えず具体的な歴史・社会的な文脈のなかに「障害」を置き直しながら、そこで「障害」がどのような意味をもつのかを問いかけます。こうした作業をこつこつと続けながら、新たな「障害」をめぐる認識を獲得し、さらに自分自身の関心とテーマを深めてください。そして、自分のなかに問題意識を育み、発信していく基盤をつくっていきましょう。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31306
CAS-GC1C28L1
性と身体Ⅰ
加藤 旭人
S1 S2
木曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
各回の概要は、以下の通りです。 1)ガイダンス①:授業概要 2)ガイダンス②:障害学の基本的発想 3)地域で生きる①:府中療育センター闘争と青い芝の会 4) 地域で生きる②:自立生活運動 5)地域で生きる③:共生教育運動 6)優生思想①:優生学 7)優生思想②:優生保護法 8)優生思想③:環境とジェンダー/セクシュアリティ 9)アクセス①:障害の正義・アクセス・アート 10)アクセス②:Tangled Art+Disability 11) アクセス③:Tangled Art+Disability 12) 振り返り 13)全体まとめ ※ゲストスピーカーをお呼びする可能性があります。調整していますので、ゲストスピーカーの都合で予定を変更することがあります。
授業の方法
 対面で講義を行います。また理解を深めるために、授業内でコメントを求めたり、意見交換をすることがあります。このとき、質問やコメントなど歓迎します。とはいえ、発言は義務ではありませんし、なによりも発言することだけが参加ではありません。また、自分の中で言葉にするのをためらったり、迷う経験も同様に歓迎します。多様な「参加」、「学び」、「コミュケーション」の形があることを前提に、お互いに学び合える授業をつくっていきたいと思います  配布資料(レジュメ形式)を用いて授業を行います。配布資料を通じて、授業の内容だけでなく、参考資料等も提示します。このほか、画像や映像なども用います。また、配布資料は教室で印刷で配布するほか、電子ファイルをアップロードして共有します。
成績評価方法
この授業では、①授業への参加(30%)、②中間課題(30%)、期末課題(40%)への取り組みを通じて、この授業の目標を達成できているのかを評価します。より具体的には、以下の通りです。 ①授業への参加(30%) 授業に参加したうえで、コメントを記入していただきます。 授業の内容を理解したうえで、自分の考えを表現できているかを評価します。 ②中間課題(30%) 授業に関連する文献を指定します。みなさんにはその文献を読んでいただきミニ・レポートを執筆していただきます。授業および文献の理解に取り組んだうえで、障害学の基本的な考え方が理解できているかを評価します。 ③期末(40%) 障害をめぐる論点を選び、関連する文献を読んだうえで、レポートを執筆していただきます。障害学の基本的な考え方を理解したうえで、自分の問題意識を自分の言葉で表現できているかを評価します。
履修上の注意
事前の知識などは必要ありません。授業では、必要となる背景知識について説明します。 (予習) 配布資料をもとに、自分のこれまでの経験、そのほかの授業で学んだことを整理してください。 (復習) 授業で学んだことを自分なりにまとめたうえで、コメント等で表現してください。 また、そうした作業を積み重ねながら、期末レポートに向けて計画的に準備してください。
その他
 ぜひ、授業に積極的に「参加」してください。大学は、みなさんが共に学ぶ場です。授業に参加するひとりひとりへのリスペクトをもとに、一緒に学んでいきましょう。ただし、「参加」のかたちは人それぞれだと理解しています。無理をする必要は全くありません。自分にとって安心できる形、自分にとって楽で心地よい「参加」の形を考えてください。  あなたにとってよい形で授業に関わるために僕ができることがあれば、ぜひ教えてください。できる限りのことをします。また、わたしにはできないこともあると思います。そのときは、話をしながらできることを一緒に考えましょう。なお、あなたがどんな事情にあるかは(たとえばあなた自身の障害や病気など)伝える必要はありません。授業をよりアクセシブルにする提案と実践を歓迎します。