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最終更新日:2024年4月1日

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古典語初級(ギリシア語)Ⅰ

古典ギリシア語初級(前半)
1, 目標

初級文法を1年かけて学び,古典ギリシア語で書かれた簡単な文章を読めるようにする.また難しい文章であっても文法書と辞書を使えば何とか読めるようにする.

2, 教科書と学修内容

昨年度まで使用していた教科書は記述や練習問題が難しめであり,学生への負担が少々大きいと思われる.負担を少しでも軽減させることを目的に,今年度は教科書は使用せず,毎回プリントを配布して授業を行うこととする.

古典ギリシア語を学ぶにはかなりの負担があると一般に思われており,そのために学修をためらったり,途中であきらめてしまう場合も少なくない.そのようにならないよう,自宅学習の時間についても,当授業の単位数に見合った毎回4時間程度に収まるようにできるだけ調整する.

3, 古典ギリシア語

ギリシア語の重要性については改めて説明するまでもないだろう.古代ギリシア文明は西洋文化の原点であり,西洋文化の根底にあるものを知ろうとすれば,必然的に古代ギリシア文明に触れることになる.古代ギリシア語を学ぶのは容易とは言えないが,これを学ぶと,古代ギリシア語が擁する哲学・歴史学・文学・科学などあらゆる分野の膨大な文献に直接触れることができ,それらがどのように西洋文明やその他の文明に影響を与えているのかを知ることができるようになる.

ギリシア語の文献は紀元前15世紀頃の線文字B粘土板にさかのぼる.使用地域はやがて東地中海地域から地中海地域全体へ,一時はさらにインド方面にまで広がった.古典ギリシア語とは,紀元前5–4世紀にアテーナイを中心とする地域で使われていたギリシア語のことを言う.これを学べば,ホメーロス(紀元前8世紀頃)から中世ギリシア語に至るまでの各時代・地域のギリシア語や新約聖書のギリシア語も容易に習得できる.文献の豊富さゆえにラテン語,サンスクリット語などとともに印欧比較言語学に豊富な資料を提供するという点でもギリシア語は重要である.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31246
CAS-GC1Lu1L1
古典語初級(ギリシア語)Ⅰ
松浦 高志
S1 S2
金曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
第1回は授業に関する簡単な説明を行ったあと,さっそく文字の読み取りと書き取りについて扱う. なお,第2回の授業前と第3回の授業時に提出予定の課題(ギリシア文字の読み取りと書き取り)がある.やむを得ず履修登録前の授業に出られなかった場合は後で提出することができる(「成績評価方法」も参照). 第1–2回:文字と音韻 第3–9回:名詞と形容詞の曲用 第10–12回:動詞の活用(1) 第13回:学期末試験 動詞の活用の続きと統語論(syntax)はAセメスターで扱う.
授業の方法
A. 概要 授業はすべて日本語で行う.予習は必須ではない.授業では教科書の内容を解説する.毎回課題が課されるので,それにもとづき授業内容の復習を行ってもらう.課題の一つは暗記である.簡単な内容を覚え,次の授業時に小テストを行って覚えられたかどうかを確認する.簡単な内容とは,教科書に挙げられている名詞・動詞などの変化表のことである.暗記に要する時間は1時間以内と想定している.また,毎回練習問題が課されるので,それを解いてきてもらう.練習問題の大半は,単語の形態を調べ,和訳するというものである.練習問題に要する時間は3時間以内と想定している.したがって毎回の自宅学習の時間は4時間程度を想定している. B. 対面/オンライン授業の切り替えと概要 1, 標準的な授業と同様,第2回まではオンライン授業,第3回以降は対面授業の予定である(やむを得ず第3回以降の一部またはすべてがオンライン授業となった場合についてはEを参照). 2, 90分授業とし,105分授業との差分の15分は(教室あるいは各自での)小テストの実施に充てる. 3, 最終回は学期末試験(やむを得ずオンライン授業となった場合についてはEを参照). C. 授業の流れ a. 教材のダウンロード(授業前) b. 小テスト(第2–12回) c. 練習問題 d. 教材を使って文法事項を教員が説明・質疑応答 教材は,極力授業日前日の朝までにITC-LMSに用意するので,オンライン授業時(第2回)は授業前にダウンロードしておく.対面授業時(第3回以降)はプリントを配布する(ITC-LMSにもアップロードする予定). 小テストは90分授業の開始時刻までに各自実施する(移動等がある場合は当日中).対面授業時はプリントを配布する(ITC-LMSにもアップロードする). 練習問題は受講者が順番に発表していく.オンライン授業時(第2回)は音声のみでよい.まずギリシア語の文章を音読してもらい,そのあと和訳してもらう.必要があれば文法事項について説明を加えながら和訳してもよい.それが終わったあと,教材の内容をきちんと理解した上で和訳ができているかどうか,教員から何点か質問するので答えてもらう. オンライン授業時(第1–2回)に教材の補足説明や練習問題の説明をする際には,教員のコンピュータの画面を映して説明する. D. 小テスト 小テストは,重要な変化表を覚え,何も見ずにそれを書き出すというものである. 105分授業との差分の15分でこれを実施する.対面授業かつ105分授業の場合は公平性を確保した上で実施することが容易であったが,オンライン授業または90分授業の場合はそれが難しい.そこで次のように実施する. 対面授業時(第3回以降)は次のように実施する.105分授業の開始時(16:50)には教員が教室で小テストのプリントを配れる状態にしておくので,各自でそれを取り,可能な学生は90分授業の開始時(17:05)までに実施して提出する.移動等の理由で90分授業の開始時(17:05)までに実施できない学生は,適当な時(当該授業前でも後でもよい)に実施し,その回の授業時か,その次の回の授業時までに提出する.小テストのプリントはITC-LMSにもアップロードしておくので,各自で印刷したものでもよい. オンライン授業時(第2回)は上記の内容を各自で実施してもらう.なお,オンライン授業時には,各自が自宅で小テストに取り組むための動機づけが弱くなる可能性があり,それを防ぐために,授業開始時に任意に何人かに当てて指定された変化表(の一部)を暗唱してもらうことがある. オンライン授業時(第2回)は小テストの実施において公平性を確保することが難しく,また対面授業時(第3回以降・90分授業)も完全に公平に実施することは難しいため,それを考慮した上で採点する. ↓↓↓↓↓ 以下はやむを得ず第3回以降の一部または全部がオンライン授業となった場合のみ ↓↓↓↓↓ E. 第3回以降の一部または全部がやむを得ずオンライン授業となった場合 第3回以降は原則として対面授業で行うが,新型コロナウィルスの感染状況が悪化し,やむを得ずオンライン授業となった場合は次のようにする. 1, 学期末試験を行わず,提出課題を課す(第13回がやむを得ずオンライン授業となった場合). 2, 第13回も小テストを行う(第13回がやむを得ずオンライン授業となった場合). 3, 授業の方法や小テストの実施方法は第1–2回と同様. 最終回がやむを得ずオンライン授業となった場合,学期末試験を行わず,学期中何回かにわたって提出課題を課す.その場合,書いたノートをスキャンまたは撮影(文字を入力した電子ファイルでもよい)してITC-LMSにアップロードする作業が必要である. ↑↑↑↑↑ 以上はやむを得ず第3回以降の一部または全部がオンライン授業となった場合のみ ↑↑↑↑↑
成績評価方法
1, 概要 学期末試験(60点)と小テスト(20点),練習問題の発表状況(20点)で行う.第13回がやむを得ずオンライン授業となった場合については6参照. 2, 採点基準 おおむね次のようになるように採点を行う予定である. 50点:形態をある程度理解しており,練習問題を解いてきている. 65点:形態をだいたい理解しており,練習問題を解く際にそれを用いている. 80点:形態をほぼ理解しており,構文や語法に注意して練習問題を解いてきている. 90点:形態や構文,語法をほぼ正しく理解しており,自分の言葉で正しく説明できる. 練習問題を解く際は,単語の形態(名詞なら性・数・格,動詞なら法・時称・相・数・人称など)をきちんと調べておき,また構文や語法については教材のどの項目に説明があるかを調べておくと上達が早い.すなわちそのようにすれば,練習問題をよく理解して解くことができ,ギリシア語の原典も正確に理解することができるようになる.単に上手(に見えるよう)な和訳ができただけでは評価を得ることができないことに注意せよ.逆に和訳がぎこちなかったとしても,形態や構文等について教材の内容をきちんと理解した上でのものであれば評価は高くなる. 3, 学期末試験/提出課題 学期末試験の主な内容は次のとおり. a. 書き取り(アルファベット・変化表・適切に語形変化させる問題等) b. 和訳 bの和訳について,頻出単語以外は語彙集を付すので,少なくともSセメスターの間は単語をたくさん覚えておく必要はない.その代わり,少しでも単語の形態や構文,語法といった文法事項について不明確な点が和訳に見受けられれば減点の対象になるので注意すること. 4, 小テスト 2019年度以前の105分授業の際は,(対面)授業開始時に一斉に小テストの用紙を配布して行っていたので公平性を保つのが容易であったが,現在の授業の方法では公平性を保つのが容易でない.[授業の方法]のDで述べたように,それを考慮した上で採点する. やむを得ず履修登録前の授業に出られなかった場合,履修登録前に行った小テストは,履修登録後の適当なときに行うことができるので申し出ること.簡単な内容を覚えて書き出すだけの内容であるから,後で行った場合でも不利になることはない. 5, 履修登録前の提出課題 履修登録前に2回程度,ギリシア文字の読み取りと書き取りの課題を課す(「授業計画」も参照).やむを得ず履修登録前の授業に出られなかった場合は後で提出することができる.ギリシア文字を,対応するローマ字に変換する,あるいはその逆を行うだけの簡単な内容であるから,後で行った場合でも不利になることはない. ギリシア文字をきちんと手書きできるかどうかということも評価の対象(キーボード等から正しく入力していてもその文字の特徴を十分に把握しているかどうかは判断できない)なので,少なくともギリシア文字の書き取りについては手書きしたものを(オンライン時はスキャンまたは撮影したものをITC-LMSに,対面授業時は手書きしたもの自体でもよい)提出する.読み取りについては手書きでも,文字を入力した電子ファイル(を印刷したもの)でもよい. ギリシア文字の読み取りと書き取りの課題を履修登録前に課す理由は,一般にギリシア語の初等文法の教科書では,ギリシア文字を学んだ後は基本的にラテン文字転写を併記せず,ギリシア文字だけで記述されているためである.早いうちにギリシア文字に慣れておかないと,教科書を読むことすら大変になる.ギリシア文字はラテン文字(ローマ字)とそれほど違いがないため慣れるのはそれほど大変ではないが,正しく覚えることができたかどうかを自分で確認するのは非効率的であるから,履修登録前にギリシア文字の読み取りと書き取りの課題を課し,それを簡単に添削して返す.これをもとに各自が復習を行うことで,ギリシア文字に早く慣れることができる. なお,履修登録期間より前の授業に出席してはいるが,履修登録を行うかどうか迷っているため,履修登録期間より前に提出する課題の提出を見合わせたいという学生/院生がいるということは想定していないが,もしいれば相談すること.もちろん課題の内容と目標に鑑みて,履修登録を行うかどうか迷っていても提出することを勧める. ↓↓↓↓↓ 以下はやむを得ず第13回がオンライン授業となった場合のみ ↓↓↓↓↓ 6, 第13回がやむを得ずオンライン授業となった場合 第3回以降は原則として対面授業で行うが,新型コロナウィルスの感染状況が悪化し,第13回がやむを得ずオンライン授業となった場合,学期末試験は行わず,代わりに提出課題を学期中に何回か課す. 提出課題では練習問題と同程度の長さのギリシア語の文章がいくつか与えられるので,その読み(ラテン文字転写),それぞれの単語の品詞,形態,意味,構文や語法に関わることをそれぞれ調べ,全体を和訳するというものである. 提出課題の配点は学期末試験の場合と同様に60点である. ↑↑↑↑↑ 以上はやむを得ず第13回がオンライン授業となった場合のみ ↑↑↑↑↑
履修上の注意
この授業を履修するための予備知識は特に必要ない.文系/理系の別や興味のある時代・地域・分野を問わず履修生を歓迎する. なお,前半を受けただけでは文章を読めるようにはならないので,読めるようにするにはAセメスターに開講される「古典ギリシア語初級(後半)」(科目名:「古典語初級(ギリシア語)II」)も履修すること.なお「古典ギリシア語初級(後半)」は教養学部後期課程の科目「共通ギリシア語」との合同授業である.進学が内定した2年生(など)は「共通ギリシア語」として履修することもできる. Aセメスターには「古典ギリシア語初級(前半)」に当たる授業は開講されていないので,計画的に履修すること.