初回はガイダンス、「表象文化論」の歴史と現状について概説したうえで、本講義の概要を説明する。それ以降は、次のテーマ(各2回程度)を取り上げる。日程はガイダンス時に示す。
1.イメージ:アビ・ヴァールブルクの文化史から現代のイメージ論へ
2.都市・建築:ヴァルター・ベンヤミン『パサージュ論』から近現代建築論へ
3.政治権力:ファシズムの魅惑から生政治的アートへ
4.歌/声:デヴィッド・ボウイのメタ・ロック的ロックからわらべ歌や喃語へ
5.歴史:写真を通した歴史経験からホロコーストの表象へ
なお、多数に上るために「参考書」の項目には挙げないが、それぞれのテーマに関係する担当教員の自著書名は次の通り(書誌情報は略す)。これ以外の参考書は授業中に指示する。教科書は用いない。
1.イメージ:『アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮』『歴史の地震計──アビ・ヴァールブルク『ムネモシュネ・アトラス』論』『イメージの自然史──天使から貝殻まで』『イメージの記憶(かげ)──危機のしるし』
2.都市・建築:『都市の詩学──場所の記憶と徴候』『都市表象分析I』『死者たちの都市へ』『ミース・ファン・デル・ローエの戦場』『残像のなかの建築』『冥府の建築家──ジルベール・クラヴェル伝』+『磯崎新論』(『群像』連載中)
3.政治権力:『政治の美学──権力と表象』『かげ(シャイン)の芸術家──ゲルハルト・リヒターの生政治的アート』
4.歌/声:『デヴィッド・ボウイ──無(ナシング)を歌った男』
5.歴史:『過去に触れる──歴史経験・写真・サスペンス』