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最終更新日:2026年10月16日

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先進科学Ⅲα

物理学による生命の記述(アドバンスト理科)
「生命の神秘」を見たとき、それを物理学で説明できたならば、その「神秘さ」は失われてしまうでしょうか。あるいは、「物質の神秘さ」をもたらすでしょうか。皆さんの答えがそのどちらであったとしても、生命現象の根底には数多くの物理法則が存在しています。例えば、細胞運動ではタンパク質溶液の液体-固体相転移(ゾル―ゲル相転移)やタンパク質の反応拡散波が鍵となります。また近年、細胞内ではタンパク質や核酸が会合し、膜を持たないオルガネラとして機能することが分かってきました。この現象は相分離と呼ばれ、その原理はドレッシングで生じる水・油の分離と同じものです。試験菅中でみられる相分離や相転移といった現象は、理論的に記述できるものの、少量かつ非平衡な細胞内での振る舞いとは異なる点も多くがあり、物理的に説明できない現象も多く存在します。こうした溝を埋めるべく、生物学と物理学が協力して研究を展開してきています。本講義では、物理学で説明できる(はずの)物質と生物の境界を明確化することで、現在の物理学で説明できる「物質の神秘さ」や説明できない「生命の神秘さ」を味わうことを目指します。そのため、物理学は得意ではないけれど好きな生物学を極めたい、あるいは、生物学は得意ではないけれど物理学を極めたい、という方を歓迎します。

本講義の前半では、ソフトという力学的性質の定義から、従来の気体・液体・個体とは異なるソフトマター全般の力学的性質について理解します。その後、生物細胞を題材に力学や熱力学、統計力学の知識を総動員しながら、生命を特徴付ける「生物の形、物質の移送、運動」といった現象について物理的に表現します。さらに、状況が許せば、物質である人工細胞と生細胞を実際に観察したり、マイクロキャピラリーと呼ばれる非常に細いガラス管やレーザーピンセットを直接操作する、生物らしさの体験も行います。

本講義では、議論やデモ実験を行うため、受講人数を20人程度に制限します。受講希望者が20名を超える場合には、ガイダンス後に基礎学力の確認と、生物学と物理学の複合領域への学習意欲に関する調査による選抜を行います。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31118
CAS-GC1E73L1
先進科学Ⅲα
柳澤 実穂
S1 S2
金曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
1.ガイダンス:生命の物理学 2.細胞膜の力学:基礎知識(1)分子から分子集合体へ 3.細胞膜の力学:基礎知識(2)幾何学的変化 4.細胞膜の力学:細胞の形の記述 5.細胞内の分子運動:基礎知識(1)分子拡散から流体へ 6.細胞内の分子運動:基礎知識(2)非平衡下での分子拡散 7.細胞内の分子運動:分子輸送と生体活性 8.細胞内の構造転移:基礎知識(1)相分離 9.細胞内の構造転移:基礎知識(2)相転移 10.細胞内の構造転移:細胞の変形と運動 11.ソフトマター物理学による細胞の再現:人工細胞 12.生命と非生命の境界:非平衡定常系
授業の方法
授業日までに、授業資料を通読し、授業時間はその内容に関する質疑や議論を、主に学生間で行う「反転授業」形式で実施します。議論や発表は、3-4人の固定メンバーからなるグループで実施し、1人1回以上の発表を担当します。授業内容および関係分野に関する情報は、これまでに本講義を受講した学生らが参加するSlackを用いて、随時やりとりできます。
成績評価方法
授業における質疑や発表の様子とレポートをもとに評価します。
履修上の注意
授業では、講義に加えて議論や発表を行うため、人数を20人程度に制限します。そのため、受講希望者が20名を超える場合には、ガイダンス後に基礎学力の確認と、生物学と物理学の複合領域への学習意欲に関する調査による選抜を行います。選抜試験に関する連絡を含むガイダンスは、第1回の授業日にzoomを介して行います。また選抜結果は、第2回の授業前に受講生となる学生証番号を、このシラバスと以下の関連ホームページ(先進科学研究機構)にて発表しますので注意してください。また、授業に関する最新の連絡や授業資料、レポートなどのやり取りは「UTOL」を介して連絡しますので、忘れず登録してください。 【選抜試験について】第1回授業日に行うガイダンス時に、課題を提示します。課題が得られなかった人や提出方法が分からない人は、柳澤へメールしてください。 【選抜試験の結果】先進科学研究機構のHP(http://kis.c.u-tokyo.ac.jp/*****)に掲示します。