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最終更新日:2026年10月16日

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現代国際社会論

開発・紛争・安全保障:人新世の「人間の安全保障」を再考する
【目標】
- 1990年代以降の開発と安全保障の融合や「人間の安全保障」概念が前提とする考え方およびそれらに基づく実践事例について理解したうえで、それらの課題やジレンマについても考察することができる。
- 2010年代後半以降(とりわけ2020年以降)に表面化した、開発と安全保障に関連する業界に対する批判や再考の動きを把握し、2025年以降のトランプ政権の影響も踏まえたうえで、この業界の今後の展望を考察することができる。
【概要】
冷戦終結後の国際政治学や国連等での政策論議においては、既存の「安全保障」概念が見直され、「人間の安全保障」といった概念が提示された。同時に、主にグローバル・サウスにおける「新しい戦争」や暴力が問題視され、開発上の諸問題は戦争や暴力の発生リスクを高める要因とみなされた。研究や政策論議における開発と紛争予防や平和構築との境界線は曖昧化し、開発問題と安全保障問題は不可分のものとみなされていった。
本講座では、こうした認識に基づいて行われてきた研究や、条約等の合意形成、そして個々の現場での取り組みを紹介し、研究と実践の双方において生じた成果やジレンマ、課題を考察する。
とりわけ、講座の後半では、近年の#MeToo運動やBlack Lives Matter運動の展開、ロシア・ウクライナ戦争やイスラエル・パレスチナの状況などを背景に生じてきた、開発・安全保障関連業界に対する批判や再考の動きに焦点を当てつつ、2025年のトランプ政権誕生による開発・安全保障関連業界への影響についても考察する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31100
CAS-GC1B13L1
現代国際社会論
榎本 珠良
S1 S2
金曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
YES
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
- イントロダクション - 新しい戦争論 - 開発論の変化 - 開発と安全保障の融合と人間の安全保障概念の登場 - 「グローバル市民社会」への期待 - 批判的安全保障研究と「人間の安全保障」 - 人道支援論の変容(「新しい人道主義」の登場) - 心理社会的支援の主流化 - 移行期司法(移行期正義) -  「人道的軍縮」:対人地雷禁止条約・クラスター弾条約 - 「人道的軍縮」:武器貿易条約 - 「グローバル市⺠社会」における人種主義 - ジェンダー主流化の展開と課題:軍備管理・軍縮の事例 - ロシア・ウクライナ戦争が示唆するもの - 援助組織における性暴力と#MeToo - コロナ後・Black Lives Matter運動後の批判と再考 - トランプ政権誕生による開発・安全保障関連業界への影響
授業の方法
原則対面での講義形式にて実施する。第一回授業のみZoomにて同期オンライン型で実施する。 教科書に沿うかたちで進めるため、第二回までに教科書を入手する必要がある。
成績評価方法
小テスト・中間テスト・期末テストは実施せず、期末レポートも課さない。 参加度(第2回以降のリアクションペーパーや予習ペーパーの提出)により評価する。
履修上の注意
- 国際関係理論、安全保障研究、国際法、文化人類学、現代思想などに関心があることが望ましい。これらに関連する授業を既に履修済みである必要はないが、授業で言及する先行研究等について分からなければ自分で調べたり、授業で扱う事例について疑問を持ったら自分で調べたりする積極的な姿勢を持っていることが求められる。
実務経験と授業科目の関連性
担当教員は、2003年から2015年まで国際NGOのオックスファム(Oxfam)で人道部門(平和構築、軍備管理・軍縮、保護する責任、人道支援政策、防災など)の政策を担当し、2015年以降も政策コンサルタントとしてNGOに関与するなどしている。この授業科目の一部は、こうした実務を通じて得た情報や経験に基づいて行われる。