学部前期課程
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最終更新日:2025年4月21日

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歴史と文化

文化財から考える日本の朝鮮植民地支配
植民地朝鮮において、日本帝国は文化財を調査し、その保存にも力を注いだ。そのことは純粋な学術調査であり、そこで得られた学術的成果は評価されるべきであるという認識は、戦後もしばしば語られてきた。
しかし、それを通じて、植民地支配に適合的な歴史解釈を提示し、それを広く浸透させるという作用をもたらした。また、調査を通じて、朝鮮の貴重な文化財が日本に持ち出され、それが返されていないという問題も生み出している。
ただし、植民地朝鮮ではそうした日本帝国の施策に対抗した朝鮮民族の動きもあった。また、朝鮮の美を評価し、それを伝える文化財を保存することに理解を示した日本人もいた。
そうした、朝鮮の文化財と日本の支配との関係、それに関連する日本人や朝鮮人の活動、植民地支配が過去のものとなった現在でも影響を与えている問題、文化財返還の動きに対してどう対処するべきかについて、この授業では論じる。
それを通じて、より広く、歴史に対して市民がどのように向き合うべきか、植民地支配を清算するということはどのように進めるべきかについて考えていく。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31091
CAS-GC1B53L1
歴史と文化
外村 大
S1 S2
金曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
第1回  ガイダンス 第2回  文化財制度と市民社会 第3回  20世紀初頭の朝鮮における古蹟調査 第4回  韓国併合と古蹟保存事業 第5回  朝鮮民族運動の対抗 第6回  朝鮮人のコレクターの活動 第7回  柳宗悦と朝鮮民族美術館 第8回  解放後の文化財返還交渉 第9回  文化財返還の事例と現在 第10回 文化財返還をめぐる世界の潮流 第11回 負の遺産にどう直面するか 第12回 在日コリアンと文化遺産 第13回 まとめ
授業の方法
教科書に指定した書籍を適宜参照しつつ、教員からの説明を行う回が多いが、関連する問題について研究しているゲストスピーカーの講義を聞き、それをもとに議論する回も何回か設ける。
成績評価方法
授業への参加と、開講中に教員が伝えた課題への対応、および学期末に提出してもらうレポートに基づいて評価する。
履修上の注意
日本の高校の教科書レベルの日本近代史の知識があることを前提に授業を行う。