学部前期課程
HOME 学部前期課程 歴史と文化
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2025年4月21日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

歴史と文化

東南アジア近現代史の中のイスラーム、植民地主義とジェンダー
この講義の目標は、東南アジア近現代史の中のイスラームの変化を特にジェンダーのかかわりで読み解くことを通じて、現在進行形のわれわれの認識の問題としての植民地主義について考えることです。日本だけではなく、世界の多くの地域でイスラームという宗教に対する偏見が様々な形で表出されていることは周知のことかと思いますが、偏見の存在を知りつつ、皆さんはどのようにイスラームを認識しているでしょうか。「東南アジアのイスラーム」というと、そのイメージは変わるでしょうか。イスラームとジェンダー、というとどのようなキーワードが頭に浮かぶでしょうか。偏見の存在を意識していてもいなくても、皆さんの頭の中に出てくるイメージには、一定の共通性があることが予想されます。そこには、植民地化を経て形成されてきた世界の不均衡な力の関係性の中で生み出され、再生産されてきた認識の問題が反映されています。本講義の大きなテーマは、このような植民地主義が現在なお継承し続けている状況を自分事として考えることにあります。「イスラーム」、それと必ずしも常に結び付けては語られない「東南アジア」、そしてイスラームと結びついたとき即座に「問題」として語られる「ジェンダー」、という三つの関係性、それぞれの変化を植民地化と脱植民地化の歴史の中で読み解くことを通じて、講義の終わりには「イスラーム」を論じる様々な言説について、それが植民地主義とどのように関係しているのかを批判的に考える力をつけることを目指します。

本講義では、東南アジアの中でも特に、現在のマレーシアとインドネシアに相当する地域を中心に扱います。「マレー世界」とも呼ばれる同地域のイスラームが植民地化に伴う変化の中で形を変えてきた歴史と、ジェンダーとその関係性が変化してきた歴史を結び付けて論じます。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
31000
CAS-GC1B53L1
歴史と文化
久志本 裕子
S1 S2
木曜5限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語、英語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
1イントロダクション:植民地主義の中のイスラーム、ジェンダーと東南アジア史 2 前提1:現代のマレーシア・インドネシアにおけるイスラームの位置づけとジェンダー 3 前提2:イスラームの教義と東南アジアの人々の生活 4 前提3:イスラームの学問と教育:東南アジアにおける展開 5 前近代1 東南アジアのイスラーム化とマレー世界の形成 6 前近代2 前近代マレー世界の女性たち 7 植民地化の時代1 イギリスとオランダの植民地主義とジェンダー 8 植民地化の時代2  植民地化と社会変化の中のイスラーム 9植民地化の時代3 イスラーム教育の変化と女子教育 10脱植民地化の時代1 ナショナリズムと女性たち 11脱植民地化の時代 2 独立後の国家形成からイスラーム復興運動へ  12現代1東南アジアのイスラーム復興とジェンダー 13現代2ジェンダーとイスラームをめぐるグローバルな言説と東南アジア 14 まとめ:植民地状況を超えてイスラームとジェンダーを考えるには
授業の方法
授業では基本的に予習課題を課します。予習に基づいて考えたことなどを共有するグループでのディスカッションもしくは教員との質疑応答を毎回行います。積極的に議論に参加する姿勢を重視します。同時に、個々の学生がそれぞれの個性を生かして参加できることを重視しています。ディスカッションや人前で話すことが苦手など、配慮が必要な学生は教員にご連絡ください。
成績評価方法
出席とリアクションペーパーの提出(出席はリアクションペーパーの提出をもって評価します)60% レポート 40%
履修上の注意
上述の通り、毎回予習課題と授業後のリアクションペーパーの記入を課します。