学部前期課程
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東洋古典学

中国古典に親しむ
 中国古典文学を概説します。
 日本のことばと文化は、中国と深い関係で結ばれてきました。本講義は、その深く関わってきた中国を、古典という観点から解きほぐします。また併せて、原文の読解を通じて、皆さんが漢文の読み方をよりいっそう上達させる、そうした機会に供することも目的とします。

 いったい日本人は中国の古典を、「訓読」という方途を通じて受容してきました。それゆえ日本語の文体は、やまとことばだけでなく、漢文(中国古典文)とも深く結びつきながら成立しています。漢文は大切な文章においてこそ用いられ、たとえば書物の顔ともいうべき序文は、たいてい漢文訓読体で書かれています。江戸の国学者は漢意(からごころ)を否定しますが、しかしその序文は漢文訓読体そのものです。おそらく漢文訓読体でなければ書けなかったのでしょう。言文一致運動以前は、話し言葉で序文を書く、という形(かた)が無かったからです。

 漢文(中国古典文)の影響は形式だけでなく、もとより内容においてこそ深く浸透していました。漱石は『文学論』で言います、「余は少時好んで漢籍を学びたり。之を学ぶ事短きにも関らず、文学は斯くの如き者なりとの定義を漠然と冥々裏に左国史漢より得たり」と。左国史漢とは、春秋左氏伝・国語・史記・漢書のことであり、いづれも中国の歴史書です。文芸書ではありません。漱石はこれを、内容を楽しんで愛読していたことが解ります。
 中国古典は日本人の心に根を下ろし、各人の関心と必要に応じて息づいています。本講義を通じて、そうした中国古典への理解を深めてゆきましょう。そして次は、あなたの心でも息づくことを願いつつ。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
30996
CAS-GC1B41L1
東洋古典学
佐藤 浩一
S1 S2
木曜4限
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教室
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
第1回 ガイダンス 第2回 訓読――文言と白話 第3回 自然詩の誕生――謝霊運というプライド 第4回 疫病を詠う詩――併せてコロナを考える 第5回 国を愛し、人を愛して――杜甫というインフルエンサー 第6回 文集の編纂――廃棄それとも散佚 第7回 森鴎外、理系にして文学者である背景――漢文の受容層 第8回 乏しい女流詩人――7割も絶句形式が占める謎 第9回 閨怨詩――男が詠う乙女ごころ 第10回 注釈――詩に達詁なし 第11回 行巻――科挙というコンパルソリー 第12回 唐詩は酒、宋詩は茶――応仁の乱と比較して 第13回 四唐説――文学史の区分
授業の方法
【1】講義形式。オンラインで実施します。 【2】あらかじめ原文資料およびその現代日本語訳を配布するので、それに対応する古文日本語(すなわち漢文訓読)を当ててきてください。その漢文訓読が、適切か否かを、授業の中で確認してゆきます。 【3】上掲の授業計画に沿って、古典の基本的知識および研究の最前線を解説してゆきます。それを踏まえた設問を、毎回課すので、レビューシートに回答し、LMSに提出してください。レビューシートは、教師への忌憚ない質問状としても役立ててください。
成績評価方法
2回のレポート(40パーセント)および 毎回のレビューシート(60パーセント)
履修上の注意
中国語を履修していれば理解は一層深まりますが、必須ではありません。