発展途上国の開発にかんする諸問題をとりあげ,初歩的な経済学のツールを用いて解説します。
序論
経済学の基本原理と現代社会における「貧困」に関わる問題について概観します。
1.経済学の基礎
(1)市場における需要と供給の作用
(2)需要,供給,および政府の政策
(3)消費者,生産者,市場の効率性
(4)外部性
1.農村の貧困
様々な農地制度がもたらす発展途上国の農村における貧困問題について,その原因と解決策について考察します。
(1)農地制度と労働市場
(2)「緑の革命」と農地改革
(3)農村開発とコミュニティ
2.「人口論」の再検討
人口成長と経済発展の関係について,マルサスの『人口論』を起点に考察します。
3.都市の貧困
1970年代以降,多くの発展途上国の都市に拡大していった都市の貧困問題について,その原因と解決策について議論します。
(1)二重経済
(2)農村都市労働移動
(3)都市の貧困とコミュニティ
4.開発経済学と地域研究
経済学では捉えることの出来なかった問題について,地域研究の役割を考察します。
(1)開発と貧困:強者の戦略と弱者の対抗戦略
(2)慣習経済の役割