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最終更新日:2024年4月22日
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古典日本語
遊びをせんとやー『梁塵秘抄』に見る古典日本語の世界
今様は院政期の流行歌です。紫式部の時代には庶民の間で流行、その後、白河院の時代頃から、宮廷の宴会芸として愛好され、とりわけ後白河院が今様に熱を上げ、その歌詞集と芸論書『梁塵秘抄』『梁塵秘抄口伝集』にまとめあげました。「舞へ舞へかたつむり」と蝸牛と戯れる様子の歌もあれば、「我が子は二十歳になりぬらん」とふらふら渡世する我が子を心配する歌、「恋しとよ君恋しとよ愛しとよ」とあまりにも率直につのる思いを歌い上げる歌などなど、和歌とは違う、庶民の日常の暮らしが透けて見える生き生きとした表現が真骨頂。明治時代には、唱歌、新体詩のルーツとして再発見され、明治44年(1911)に『梁塵秘抄』の歌詞集が発見されるや、今様の詠作が大ブームとなり、北原白秋、萩原朔太郎、佐藤春夫、三好達治といった詩人たちもこぞって今様風の詩を発表したのでした。本講義では、『梁塵秘抄』を中心に今様の詞章に分け入り、そのさまざまな現代語訳も対照させながら、中世の庶民の心と、時代を超える流行歌の魅力に迫っていきたいと思います。
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