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最終更新日:2024年4月22日

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比較地域史

ローマ帝国の衰亡と古代末期世界
西ローマ帝国が476年に滅んだ一方で、東ローマ帝国はその後も1,000年近く永らえたというのが西洋古代世界を締めくくる上での一般的な説明である。しかし、東西の歴史的変容の違いをどのように描き出すか、あるいは帝国が滅びるとはどういうことかといった点は、長年来議論の対象となってきた歴史上の難問である。本講義ではこの解決の難しい問題とその長大な研究史を真正面から扱うわけではないが、このような歴史的難問を内包する紀元4-6世紀頃の東西地中海世界の歴史に着目し、東西ローマ帝国それぞれが歩んだ異なる道のりを概観する。そして、いくつかの個別的な事象の検証を通じて、歴史に対する視座を豊かにすることを目指したい。世界史の記述がどうしてこのような形になっているのか? イスラームとキリスト教はどのような社会背景の中に成り立ったのか? この時代の文化が現代にどのような影響を及ぼしているのか? このような数々の一般的な問いに取り組む姿勢をはぐくみたい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
30344
CAS-GC1B23L1
比較地域史
田中 創
S1 S2
火曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
以下のような内容を予定している。 第1回(4月7日) Zoom試行(会議室は開いておき、場合によってスライドなどを表示するが、授業はしない。接続の可否を確認するためのものと、アドレスの確認) 第2回(4月14日) Zoom試行(同上) 第3回(4月21日) ローマ帝国衰亡史と古代末期論 第4回 元首政と専制君主制の違い 第5回 ローマ史とローマ市の視点 第6回 ローマ帝国の東西分裂 第7回 ローマ帝国とゲルマン人 第8回 「アリウス派」と「アタナシウス派」 第9回 カルケドン公会議と神話の利用 第10回 西ローマ帝国滅亡の言説 第11回 ササン朝とイスラーム 第12回 ユスティニアヌスの帝国 第13回 知の伝達:古代末期の諸言語と文学
授業の方法
基本的に講義形式で行うが、適宜学生に対する質疑応答などを取り入れる。
成績評価方法
学期末レポートをもとに評価する。
履修上の注意
特に古典ギリシア語やラテン語などの知識、西洋古代史に関する事前知識は必要としておらず、世界史未修者でも歓迎する。ただし、総合科目なこともあり、少し専門的なアプローチから入ることや、扱う時代範囲も地中海・オリエントの古代から中世までというおよそ現代を生きる東洋人に縁遠い歴史に限定されることから、クセがある授業であるのは間違いない。学生には、単に受け身で授業を聞くだけでなく、不明点を質問するなど、積極的な参加を期待する。沈黙(質問の不在)は、学生が授業内容を分かっていることだと理解されてしまう点によくよく留意すること。