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最終更新日:2025年4月21日
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日本の政治
日本の政治:危機の中の内閣総理大臣
菅義偉政権が2020年9月16日に誕生した。菅首相はデジタル庁の創設などの政策を進める一方、コロナ危機に対応している。その前の安倍政権は政治史に残る長期政権となった。安倍首相は第二次政権発足後から15年秋まではいわゆる「三本の矢」:大胆な金融緩和、機動的な財政運営、成長戦略を掲げて経済政策に積極的に取り組んできた。15年秋以降は「1億総活躍」「働き方改革」「人づくり革命」などを唱え、労働時間規制、教育無償化などを実現してきた。また、「地球儀を俯瞰する」外交を掲げ、精力的に海外を訪問し、「積極的平和主義」を唱えて、日本の安全保障政策の見直しに取り組み、集団的自衛権に関する憲法解釈の変更に踏み切り、安保関連法制を成立させた。
一方で、森友学園問題、加計学園問題では「忖度」という言葉が人口に膾炙し、いわゆる「官邸」の強さ、官邸と官僚の関係などが注目されるようになった。
菅首相や安倍前首相はどのように政権を運営し、政策を立案してきたのか。
本講義では以上を含めて、日本の権力構造、政策決定過程について理解できるようにする。ところで、2000年代以降の日本の政治を分析する上で一つのことを留意する必要がある。それは、1990年代から2001年にかけて日本の統治構造が大きく変革されたということである。この変革は日本の政治構造を大きくかえ、政治構造が変化する中で、長期政権や短期政権が現れている。また、多くの政権が現れては消える中でも、政策決定過程は確実に変化してきている。
2020年度の「日本の政治」の目的は二つである。第一の目的は、現在日本政治の特徴を理解することである。具体的には二つのことを把握したい。一つは日本の統治構造の変化と現在の特徴を学ぶこと。二つは政策決定過程を観る目を養うことにある。このため菅内閣、第二次・三次・四次安倍内閣の下における政策決定過程を掘り下げて分析する。
また、講義と併せて、①戦後日本の政治の歩み、②現代日本の権力構造、政策決定過程を分析する代表的な本、論文をシラバスにそって講読することが、重要な履修条件となる。
第二の目的は受講者にレポートの一つの書き方を修得してもらうことである。レポートを書くことの目的は単にレポートで取り上げるテーマについて 情報としての知識を身につけることにとどまるものではない。レポートを書く作業を通じてわからないことを調べる力、ものごとについて考える力、多くの事象を重要な点にしぼって観察する力を養うことになる。
この授業を通じて身につけてもらいたいことは数多くある。コロナウィルス危機の中、初回からリモート授業という異例の環境で講義を行うことになる。そうした環境の中で、受講者が授業の内容をしっかり習熟できるよう最大限の努力を傾ける。
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