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最終更新日:2024年4月22日

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社会思想史

フランス革命後19世紀ヨーロッパの社会思想: 進歩と保守、立憲主義対独裁、政治と社会の関係の変容などをめぐって
 この社会思想史の授業では、過去の年度ではヨーロッパの近代形成期を主対象として、先立つ古代および中世の思想からの影響関係、16世紀前半のルネサンスや宗教改革、ホッブズやロックら契約説が形成された時期、18世紀西欧における啓蒙思想の展開と文明化の諸思想、アメリカの革命、そしてフランス革命を順次扱ってきた。今年度はフランス革命の影響を受けた19世紀前半の社会思想を広い観点から取り上げる。フランス革命が社会思想史的にも最重要な事件であることは疑い得ないが、その意義の評価は今なお深刻な論争の対象となっている。この革命は人民主権、民主主義、普遍的人権など今日の重要規範の起源をなすとともに、ナショナリズムの本格的な成立の起点でもあり、また残酷な独裁もここに始まっていると言える。このような多様な面を有する革命を受けて、19世紀前半になされた、さまざまの立場からの革命後の社会構想をめぐる議論を検討することにより、革命によって本格化した近代の秩序とは何であったのかを明らかにすることを目的とする。
 
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
30250
CAS-GC1A54L1
社会思想史
森 政稔
S1 S2
月曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
1.はじめに:社会思想史の意義、目的、方法(1回)  社会思想史における近代とは何か、空間と時間 2.フランス革命はどのように把握されてきたか?  (1)フランス革命の原因、経緯、帰結の簡単な整理(2回)   貴族と国王、三部会開催と身分間の対立、人権宣言、民衆運動の介入、干渉戦争   人民主権、ジャコバン独裁の成立とテロル、フランス革命の終わりとナポレオン帝政  (2)革命解釈をめぐる対立(3回)   ジャコバン主義およびマルクス主義的解釈   「修正主義」による正統派への反論  (3)今日フランス革命を論じる意味について(4回)    ナショナリズム、民主主義と独裁、社会主義/自由主義/保守主義、18世紀と19世紀の断絶について 3.フランス革命をめぐる同時代から19世紀初頭までのヨーロッパ社会思想  (1)英国における革命論争(5回)   イングランド急進主義者による革命擁護論(R.プライス、T.ペイン、W.ゴドウィン)   E.バーク『フランス革命の省察』の革命批判と近代保守主義の誕生   (2)ドイツ観念論哲学が捉えたフランス革命(6-7回)   I.カントとフランス革命のインパクト   「ドイツのジャコバン」J.G.フィヒテの社会思想とナショナリズム 4.19世紀ヨーロッパにおけるポスト革命の思想  (1)G.W.F.ヘーゲルのフランス革命観:進歩的な保守主義?(8回) 初期のフランス革命称賛から『法の哲学』での革命批判、および国家と市民社会の区別  (2)19世紀フランスでのポスト革命の思想(9-10回)   カトリック反動思想(ボナルド、メーストル):国家と宗教の関係   フランス的な自由主義の誕生(ギゾー、コンスタン)   サン・シモンの産業主義と三段階論、およびコントの実証主義(社会学)の成立  4.19世紀前半におけるフランス革命の継続と社会主義  (1)七月革命、七月王政、二月革命と社会主義思想の勃興  (2)ドイツ人マルクスの見た19世紀フランスの革命と動乱(11回)  (3)プルードンと二月革命:反ジャコバン的革命を目指して(12回)  (4)社会主義運動の挫折とその後(13回)           
授業の方法
基本的に講義形式で行います。初回は学部の方針に従ってオンライン(リアルタイム配信)、2回目以降は教室で対面授業とします。質問は授業の各回後15分程度、随時受け付けます(歓迎します)。 授業レジュメはITC-LMSに掲載します。ただし90分×13回で足りない授業時間を補う目的もあって、いくつかのコラム的な内容の説明をZoomを用いて録音動画にしてITC-LMS上でオンデマンド公開し、いつでも自由に聴いていただけるようにする予定です。
成績評価方法
期末試験を行う予定です。論述タイプの問題を5問程度出題し、そのなかから2問を選択してもらう形式を考えています(変更になる可能性あり)。
履修上の注意
この時期の世界史についてある程度知識がある方がわかりやすいとは思いますが、授業中に背景を説明するので、予備知識が必須ではありません。
実務経験と授業科目の関連性
とくにありません。