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最終更新日:2024年10月18日
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適応行動論
人間の行動と心の進化についての生物学的理解
人間とは何か。根源的な問いに対して我々はどのように探求するべきだろうか。教養学部はこの大問題に対して多様な方法論で究明するための研究者が結集した学際部局であるが、本講義では生物進化、とりわけ霊長類進化の視点でこの問題に迫る。今確認できる全ての生物は、同じ時間を経過して現在の種の形で生物進化を果たしている。生物種としての「ヒト」は、その進化の連続性の中で成立しており、身体や脳の設計、我々が営む社会構造に至るまで、ヒト固有と思われる生命現象も、全て生物進化の上で成立したと考えて良い。化石の痕跡に残らない行動や心といった現象も、生物進化の痕跡といえるだろう。こうした生物進化の視点で、心や行動の進化適応性を考慮し、それを理解する学問は、人間行動進化学、また,心理を理解する学問は進化心理学と呼ばれ、最先端の学際的教養分野である。
本講義では進化論が近現代の人間観・世界観に与えた影響を概観した後、進化生物学の基本的な概念を学習する。加えて、講師の専門である霊長類進化に関わる最新の知見を解説しながら、霊長類の生物特徴とヒトの固有性について理解し、人類の進化史を学ぶ。。これらの内容を踏まえた上で、身体や脳の設計とその進化を考慮して、そこから生じる行動と心について、ヒトとヒト以外の動物との共通性や相違点などの様々な例を挙げて、その進化について学習する。扱う主題としては、ヒトの言語や文化、社会の進化や養育行動などを想定している(講義の進捗や時折挿入する雑談などによって話題を多岐にわたって展開する)。「人間とは何か」という大きな問題に対し、従来の人文科学や社会科学にはなかった新しい文理融合的アプローチによって迫りたい。
本授業の履修にあたって進化学の知識は前提としない。必要な概念についてはその都度解説する。
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