学部前期課程
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最終更新日:2024年4月22日

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歴史Ⅰ

東南アジア史概説――人と時代
東南アジア史というなじみのうすい世界の歴史を学ぶにあたり、いつも何をどう教えたら良いのかと悩みます。王や王朝の名前やこまごまとした社会史的な事項を教えてもあまりピンとこない学生さんも多いことでしょう。基本的には、歴史は何かを記憶することではなく、過去の出来事や思想から、現在を生き抜き、未来を切り開くヒントを得ていく営みです。特に東南アジアは「風下の地域」と呼ばれるように、文明の中心にはならず、常に地域外からの移民を受け入れ、混沌としていながらも、多様で豊かな文化をはぐくんできました。学部1,2年生向けの授業として、時代背景のことは話しますが、なるべく人物に焦点を当て、この地域の歴史を学んでいきたく思います。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
30166
CAS-FC1731L1
歴史Ⅰ
岡田 泰平
S1 S2
月曜3限
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講義使用言語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
教養学部(前期課程)
授業計画
1.ガイダンス、神話的世界 2.世界宗教の伝播と遺跡 3.多民族と近世 4.華人と民族国家の誕生 5.西洋植民地主義とナショナリズムの勃興 6.植民地社会の形成――近代というくびき 7.植民地主義と知識人 8.日本占領期 9.ナショナリストの諸相 10.アジア諸戦争の時代 11.開発独裁 12.民主と革命 13.21世紀の政治と現状批判としての芸術
授業の方法
基本的に私のレクチャーを聴くということになりますが、リアクションペーパーは提出してもらうことは考えています。
成績評価方法
受講生の数にもよりますが、チャットGPTのこともあるので、たぶん期末の筆記試験にします。
履修上の注意
日本人にとってはモデルとも、脅威ともならない地域の歴史です。しかし、重要な隣人であり、身近な人々です。この地域の歴史を学ぶ上で、あまり東アジアの歴史やいわゆる「成功」体験はあまり参考になりません。この授業を通しては、そもそも何か「役に立つ」ものを学ぼうとしないことが重要な感じがします。むしろ、圧倒的に自由で自分勝手で、それでいて近代以前に育まれた価値観がところどころ露呈するのがこの地域の魅力です。そのような魅力を「遅れている」と考えるか、「進んでいる」と考えるか、「関係ある」と思うか、「関係ない」と思うかは、ご自身で答えを出してください。ついては、この地域の歴史の諸相から、何を得るのかは受講者次第だと思っています。授業も、試験もそのような観点から行うつもりです。