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最終更新日:2025年4月21日

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近代日本の労働と組織

近代日本の労働と組織
一次史料にあたることは研究作業のなかでも楽しい時間となりますが、言うまでも無く重要な作業です。その史資料はinformativeでdescriptiveであるケースも多いです。そのような史資料を自分の議論を構築するために、適切に仮説をたてながら読み進める、また、適宜その仮説を改めながら読み進めていくことが肝要になります。そうした作業の練習のための演習となります。また、明治後期の炭鉱労働、生活、文化に理解を深めていきます。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
291416-02
GEC-EC6417S1
近代日本の労働と組織
森本 真世
S1 S2
金曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
経済学研究科
授業計画
1. 炭鉱業発展の歩み・炭鉱労働史の概観 - 官公庁の統計資料などから明治期炭鉱業の全体像、潮流をとらえる。 2. 炭鉱業における労務管理(1と2で、第1(ガイダンス・導入)〜3回) - 先行研究を渉猟し、炭鉱における労務管理について理解する。 - 何が合理的な選択で、何がそうではなかったか。どのような場合、中間管理者に裁量を与えるのが適切か、などに注目する。 3. 事例研究:麻生藤棚炭鉱における労務管理(第4〜13回) - 1902〜1907年に麻生太吉によって操業された福岡県鞍手郡下境村(当時)に位置した麻生藤棚第二坑の残存するおよそ2年半分の「人事係」による「日誌」(「麻生家文書」)を読み、実際の労務管理の実態をとらえる。 - 撮影した史料と翻刻を配布するので、事前に読み、どのような仮説をたてて読んだか、どのような議論が可能か、発表する。興味深く感じた点を共有する。 - 一次史料の読解を進める前に必要な情報を渉猟。(森本真世(2023)「第2編 特集1-3 麻生炭坑で働く労働者:納屋制度から直接管理制度へ」、「第2編 特集2-3 麻生藤棚第二坑における管理の実態:「日誌」の分析」(麻生グループ150周年プロジェクト委員会編)『麻生百五十年史』株式会社麻生、764-793、806-809頁。 <参考> 麻生家文書 : 九州石炭礦業史資料目録 https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/***** (九大コレクション’麻生家文書https://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/*****から、「目録」ページへ) 扱う史料は第4集に掲載されている二坑Bの11、12,14,15,16、二坑Dの23、二坑Bの17,18,19(時系列順)。
授業の方法
文献および一次史料の輪読、講義、ディスカッションを組み合わせる。
成績評価方法
授業への参加(出席、発言、発表)による。
教科書
なし。
参考書
先行研究の輪読については、受講者の希望も踏まえて文献を選定するが、以下を想定している。 市原博(1997) 『炭鉱の労働社会史-日本の伝統的労働・社会秩序と管理-』,多賀出版. 荻野喜弘(1993) 『筑豊炭鉱労使関係史』,九州大学出版会. 隅谷三喜男(1968) 『日本石炭産業分析』,岩波書店. 田中直樹(1984) 『近代日本炭礦労働史研究』,草風館. 村串仁三郎(1976)『日本炭鉱賃労働史論』、時潮社.
履修上の注意
古文書読解について多少の経験があることが望ましい。 児玉幸多『くずし字用例辞典』を持っていることが望ましい。