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最終更新日:2024年10月18日
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演習(租税法)
人はなぜ納税するか
《人はなぜ納税するか》は、単純な損得勘定だけでは説明できない。というのも、税務調査で非違が見つかる確率は低く、罰則や加算税などのサンクションだけでは、「納税したほうがトク」という計算にならないからである。
こうして、納税行動については、社会規範(social norm)や制度的要因など、実にさまざまな説明が試みられてきた。古今東西の驚くべき経験が蓄積しており、注目すべき実証研究も多い。実際のところ、納税行動に関する理解なくして、ビジネス・シーンで課税がどういう意味をもつかを検討するのは難しいし(tax planningの前提としてのtax compliance)、特定の租税政策がいかなる帰結をもたらすかを予測することも困難である(tax policyの前提としてのtax compliance)。グローバルな法形成との関係では、国家間の情報交換が国際協調の基盤となっており、租税行政の改善が途上国の能力開発(capacity building)の中心となっている。
このゼミでは、日本法の現状把握からはじめ、いくつかの基本的な英語文献を会読することによって、納税協力(tax compliance)と納税非協力(tax noncompliance)に関する知見を共有する。そのような作業を通じて、より一般的に、《人はなぜ法を遵守するか》、《社会秩序はどのようにして生まれるか》、《どのような場合に国家は失敗するか》といった問題について、じっくり語り合う機会としたい。
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