大学院
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため，URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日：2024年4月22日
授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。
最終更新日：2024年4月22日
授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。
演習（民法）
Personalized Lawをめぐる諸問題
情報・AI技術の目覚ましい進化により、社会生活や法のあり方についても大きな変化が生じつつある。従来の法の多くは、「等しきものは等しく扱うべし」という形式的正義の要請に立脚し、一定の範囲の適用対象について画一的な法的規律を及ぼすという意味において、一般性・抽象性・画一性という特徴を備えるものであった。しかしながら、例えばある場面において必要とされる情報を提供する義務に関し、情報を受け取る側の選好・属性・能力などに応じた最適な内容・水準の義務をビッグ・データやアルゴリズムを通じて導き出すことができるのであれば、画一的ではない、個別化（パーソナライズ）された内容・水準の義務を情報提供義務者に課すといった方法も考え得る。そのように、情報技術の進展を基礎として法からその一般的・画一的な性質を削ぎ落し、法の名宛人の個性や能力に応じて個別化された「その一人のための法」へと変質させる可能性について、近時興味深い議論が展開されている。本演習は、Christoph Busch/ Alberto de Franceschi, Algorithmic Regulation and Personalized Law: A Handbook (C.H. Beck 2020)を教材として、そのようないわゆるPersonalized Lawをめぐる理論動向について検討を行うことを目的とする。
時間割／共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
25-6906
GLP-LS6501S9
演習（民法）
石川 博康
金曜5限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
法学政治学研究科
授業計画
演習の進め方としては、教材(Christoph Busch/ Alberto de Franceschi, Algorithmic Regulation and Personalized Law: A Handbook (C.H. Beck 2020))を順次読み進めることとし、各回における検討部分の概要についての報告者からの報告と、それに関する参加者全員での質疑応答を中心として、検討を行うこととする。なお、本教材の全ての章を読むわけではないが、本書の目次としては、以下のような章立てとなっている。
Part 1
The Concept of Personalized Law
A. Personalizing Default Rules and Disclosure with Big Data (Porat/Strahilevitz)
B. Personalizing Negligence Law (Ben-Shahar/Porat)
C. The Death of Rules and Standards (Casey/Niblett)
Part 2
Critique and Theoretical Perspectives
D. The Law between Generality and Particularity. Chances and Limits of Personalized Law (Grigoleit/Bender)
E. Granular Norms and the Concept of Law: A Critique (Auer)
F. Logopoeia: Normative Typification and Granular Norm's Informational Differentiation (Femia)
G. “Granularization” and Cross-Subsidies: Liberal, Neoliberal and Socialist Perspectives (Denozza/Maugeri)
Part 3
Personalization in Contract, Consumer and Tort Law
H. 'Granular Legal Norms' in the Financial Services Trade (Sirena)
I. De- or Re-typification through Big Data Analytics? The Case of Consumer Law (Micklitz)
J. Personalization of the Law and Unfair Terms in Consumer Contracts (Patti)
K. Personalization of Tort Law? (von Bar)
Part 4
Technological and Behavioral Perspectives
L. Personalized Law and the Behavioral Sciences (Hacker)
M. “Smart Contract”, “Granular Norms” and Non-Discrimination(Zeno-Zencovich)
N. Algorithmic Regulation and (Im)Perfect Enforcement in the Personalized Economy (Busch)
授業の方法
演習
成績評価方法
平常点を考慮する
レポートを課さない
|成績を合否で評価する
教科書
開講時に資料を配布する。
参考書
特になし
履修上の注意
特になし
