大学院
HOME 大学院 現代法哲学
過去(2020年度)の授業の情報です
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2025年4月21日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

現代法哲学

法哲学が挑む根本問題は,「法とは何か」である。この講義は,「いかに法を解釈すべきか」・「法解釈に正解はあるのか」・「正義とは何か」という問いに導かれながら,「法とは何か」を考察する。こうした作業を通じて,法曹を目指す受講者が,「法を解釈するとき自分は何をしているのか」を反省する契機を提供することを目的とする。 この目的を達成するために,ハートとドゥオーキンの法理論を検討する。指定する文献に則して、受講者と質疑応答を行っていく。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
25-6571
GLP-LS6315L1
現代法哲学
瀧川 裕英
S1 S2
水曜1限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
不可
開講所属
法学政治学研究科
授業計画
第1回 「法とは何か」とは何か000 法哲学の基本問題である「法とは何か」という問題が、いかなる問題であるかを確認する。 第2回 「法とは何か」という問題 「法とは何か」という問いをハートがどのように捉えたのか、ハートが批判対象とするオースティンはいかなる法理解を採用していたのか、を検討する。 第3回 法命令説への批判 オースティンの法理論をハートが批判するとき、ハートが何を問題にしていたのか、を検討する。 第4回 ルールとしての法 ハートはいかなる法理論を提示しているのか、外的観点・内的観点とは何か、一次ルール・二次ルールとは何か、を検討する。 第5回 裁量理論 ハートは裁判所の判決をどのように捉えているか、形式主義とルール懐疑主義に対していかなる批判を行っているか、を検討する。 第6回 法と道徳 ハートは法と道徳の関係をどのように捉えているか、を検討する。 第7回 法の意味論的理論 ハートの法理論は法の意味論的理論に陥っている,というドゥオーキンの批判について,その趣旨を正確に理解し,その批判の妥当性を検討する。 第8回 解釈としての法 法の意味論的理論に代えてドゥオーキンが提示する「解釈としての法」という法理解について,そもそも解釈とは何かという点にさかのぼって検討する。 第9回 規約主義とプラグマティズム 規約主義(ハートの法理論)とプラグマティズム(リアリズム法学)について,ドゥオーキンがいかなる批判を行っているかを確認し,その妥当性を検討する。純一性としての法 規約主義とプラグマティズムに代えてドゥオーキンが提示する「純一性としての法」という法解釈について、純一性の理念を確認し,その意義を検討する。 第10回 純一性としての法 規約主義とプラグマティズムに代えてドゥオーキンが提示する「純一性としての法」という法解釈について、純一性の理念を確認し,その意義を検討する。 第11回 ドゥオーキンへの批判と応答 ドゥオーキンに対する様々な批判と、そうした批判に対するドゥオーキンの応答を検討することで、ドゥオーキンの法理論の全体像を正確に確認する。 第12回 ハートとドゥオーキンの応酬 ドゥオーキンの批判に、ハートはどのように応答したか、その応答に対して、ドゥオーキンはどのように再批判しているか、検討する。 第13回 ヘラクレス判事の法解釈  日本の裁判例を用いて,ドゥオーキンが想定する理想的な裁判官=ヘラクレス判事ならばどのように判決を下すかを考察する。
授業の方法
双方向的授業を中心に行う
成績評価方法
筆記試験を行わない 平常点を考慮する レポートを課す 成績をA+・A・B・C+・C-(2011以前の入学者はC)・Fで評価する
教科書
H.L.A. ハート著、長谷部恭男訳『法の概念 第3版』(筑摩書房、2014年) 瀧川裕英・宇佐美誠・大屋雄裕『法哲学』(有斐閣、2014年)
参考書
ロナルド・ドゥウォーキン著,小林公訳『法の帝国』(未来社, 1995年)
履修上の注意
なし