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最終更新日:2026年10月16日

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先進国の比較政治

 この講義は,比較政治学がデモクラシーについて何を問い,いかなる知見を獲得してきたのかについての概観を受講者が獲得することを目的として,先進諸国のデモクラシーを対象とする比較研究の蓄積を俯瞰的に紹介する.本講義のパースペクティブは歴史的なものであり.新たな因果関係の説明を提示するより,事態の理解と概念化に重点はおかれる.ただし講義のなかでは近時の比較政治研究の成果も積極的に紹介するため,より先端的な研究を学ぶための踏み台として本講義を活用することが可能である.
 具体的には第二次世界大戦後(1950-80年代)の西欧において安定をみた政党デモクラシーを,デモクラシーという理念の「一つの」歴史的実装形態と位置づけ,その社会的前提条件,現実の運営,規範的位置を検討する.その上で,その後(1990年代-)の変容を検討しながら,この歴史的実装形態が直面している困難がどこにあるのかを確認する.
 戦後西欧はローカルな特殊事例に過ぎない.しかし,特殊戦後西欧的な歴史的実装形態は,比較政治学のさまざまな分析的・規範的モデルの中に浸透しており,その帰趨は政党とデモクラシーをめぐる議論全体に影響しうる.また,事例自体は特殊であるものの,本講義は比較政治学の「理論」「分析枠組」において,論理的・普遍的に説明可能な部分と歴史的・社会的条件に依存している部分を腑分しつつ議論を紹介することを重視しており,理論やモデルの適用範囲や文脈依存性を考える知的訓練としても機能することを期待している.これらの点で,他の地域・時期に関心を持つ受講者にも一定の有益な知見をもたらしうるものと考えている.
 加えて,「デモクラシーとはいかなる制度枠組として運用可能か」という問いとの接続を意識して比較政治研究の現在地を紹介することから,理論的・規範的な議論に関心がある受講者にとっても,規範的議論の経験的基礎を理解する一助となるはずである.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
25-304-182
GLP-LP6316L1
先進国の比較政治
網谷 龍介
A1 A2
木曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
法学政治学研究科
授業計画
おおむね以下のような項目立てで進める予定である. 1.イントロダクション 2.戦後ヨーロッパ型デモクラシーの歴史的文脈 3.戦後ヨーロッパ型デモクラシーと組織政党デモクラシーの社会的基礎 4.組織政党デモクラシーの理論構造 5.組織政党デモクラシーの組織基盤とその変遷 6.イデオロギー的変容と政党デモクラシー 7.ポスト組織政党のデモクラシー 8.ポスト「組織政党デモクラシー」と立憲民主主義の浮上 9.裁判所の機能条件 10.開かれた国家と民主的正統性 11.テクノクラティックなガヴァナンスとデモクラシー 12.ポピュリズム? 13.現存民主政の歴史化と比較政治の概念構築
授業の方法
講義
成績評価方法
学期末レポート80%+平常点(各回の小課題)20%.詳細は授業初回に説明する.
履修上の注意
 講義形式で実施するため,受講者とのディスカッションを実施することはできないが,それを代替するものとして授業時間の1/4程度は受講者のコメントや質問に対するリプライに充てる.担当者が十全なリプライを提示できないことは多々あるが,「何を知っていて,そこからどのような推測を行い,そしてどこがわからないか」という「政治学者の頭の中」を率直に提示することで,受講者の皆さんがそこから担当者をこえていく手掛かりを提供したい.  この手法に対しては,担当者のリプライにもまして「他の受講者のコメントや質問が参考になった」というレスポンスを複数の大学の学生から得ている.その意味で,受講者一人一人からのインプットがこの授業の質的向上をもたらす重要な要因であるため,素朴なものから挑戦的なものまで多様なインプットを期待している.