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最終更新日:2026年10月16日

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現代ラテンアメリカの政治演習

ラテンアメリカにおける組織犯罪と政治
近年、ラテンアメリカは世界でも最も高い暴力発生率を示す地域の一つであり、その背景には麻薬密輸を中心とする組織犯罪の存在があります。麻薬取引は、貧困や格差、巨大なインフォーマル・セクターの存在を背景に、とりわけ1970年代以降、米国における麻薬需要の増加とともに急速に拡大しました。今日では、メキシコ、コロンビア、ブラジルの組織を中核とし、麻薬の栽培・生産、密輸、資金洗浄に至るまでを包含する高度に分業化された国際ネットワークが形成され、ラテンアメリカ域内のほぼすべての国がその構造に組み込まれています。各国のローカルな犯罪組織は国際的な麻薬取引の仲介や流通の一端を担い、地域レベルでは大麻や覚醒剤などの密売を展開しています。

組織犯罪は単なる治安問題にとどまらず、選挙、政党、地方政治、治安機関、司法制度と複雑に結びつきながら、政治過程そのものに深く影響を及ぼしています。麻薬密輸組織は、政治家や官僚に対して賄賂や地域秩序の提供を通じて関係を構築し、その見返りとして犯罪活動の黙認や選択的不処罰といった恩恵を受けてきました。また、非合法経済は合法的ビジネスとも接合し、グレーの領域を形成しています。こうした「犯罪と政治の交錯」はなぜ生じ、いかに維持されるのでしょうか。そしてそれは、民主主義や国家の能力、経済発展、社会秩序にいかなる影響を及ぼしているのでしょうか。

本演習では、ラテンアメリカにおける組織犯罪と政治を扱う比較政治学分野の研究書二冊を講読します。主体的な文献読解と討論を通じて、「犯罪と政治の交錯」をめぐる理論的・実証的研究の動向を把握するとともに、ラテンアメリカの現状を分析的に捉える視角を身につけることを目標とします。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
25-304-176
GLP-LP6316S1
現代ラテンアメリカの政治演習
馬場 香織
A1 A2
水曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
法学政治学研究科
授業計画
次の文献のほか、雑誌論文を講読予定です。 Trejo, Guillermo, and Sandra Ley. 2020. Votes, Drugs, and Violence: The Political Logic of Criminal Wars in Mexico. Cambridge University Press. Feldmann, Andreas E. and Juan Pablo Luna. 2023. Criminal Politics and Botched Development in Contemporary Latin America. Cambridge University Press.
授業の方法
参加者は課題文献を事前に読んで、授業に参加します。詳細は第1回授業時に説明しますが、参加者全員が毎回1000〜3000字程度のコメントシートを事前に提出します。また、各回には要約担当者が1人ないし2人割り当てられます。要約担当者は課題文献の要約レジュメ(A4紙3枚程度)を事前に作成し、授業の冒頭でレジュメにもとづく要約の発表を行います。その後、事前に提出されたコメントシートをもとに、全体でのディスカッションを行います。
成績評価方法
(1)授業への積極的参加(40%) テキストの分析、疑問点の提示、事例の考察など、討論に積極的に参加する態度。 (2)コメントシート(40%) コメントシートの提出。単なる感想文ではなく、分析的でユニークな内容であること。 (3)要約レジュメと発表(20%) 内容を的確に、適切な分量でまとめていること。要点を過不足なく簡潔に発表できていること。
履修上の注意
毎回、英文40ページ程度を読むことに加え、コメントシートの作成のために関連する文献やデータにあたる必要があります。粘り強く取り組み、積極的な議論に挑戦する方を歓迎します。