大学院
HOME 大学院 発展途上国の政治演習
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2026年10月16日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

発展途上国の政治演習

Global Challenges to Democracy
1990年代以降、いわゆる「民主化の第三の波」が停滞し、2000年代に入ると多くの地域で民主主義の後退や権威主義的傾向の強化が観察されるようになりました。こうした状況を背景に、近年の比較政治学では、民主主義の後退(democratic backsliding)や権威主義体制の強靭性が重要な研究テーマとして取り上げられています。

近年の現象は、主に次の二点において従来とは異なる特徴を有しています。第一に、民主主義の後退が、制度的に脆弱な国だけでなく、経済的に豊かで民主主義の長い伝統を有する国々においても生じている点です。第二に、その後退が、かつてのような軍事クーデターや反乱によるものではなく、民主的に選出された指導者や既存制度の脆弱性を通じて、内部から民主主義が徐々に弱体化していく形で進行している点です。

他方で、民主主義を擁護しようとする勢力の側には、単に従来の代表制を維持することにとどまらず、より包摂的で公正な制度への改革を志向する動きがみられます。このことは、民主主義の「後退」だけでなく、その強靭性を支える条件や再生の可能性に関する理論的・実証的研究を促してきました。すなわち、民主主義は「後退」していると同時に「再構築」されてもいるのです。民主主義を、完成された制度が守られたり崩れたりする対象として捉えるのではなく、危機と再創造のせめぎ合いのなかで変容し続ける動態的な秩序として理解する視角の重要性が、いっそう明らかになっています。

本演習では、欧州、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、米国を含む地域横断的な比較の視座に立ち、制度、市民社会、国際的要因を統合する枠組みから、現代世界が直面する民主主義への挑戦を総合的に分析する論文集を講読します。主体的な学習を通して、民主主義が直面する多重の挑戦の現状を的確に把握し、最新の研究動向を学ぶとともに、目まぐるしく変化する世界政治の現状を分析的にみる視角を獲得することが目標です。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
25-304-175
GLP-LP6316S1
発展途上国の政治演習
馬場 香織
S1 S2
水曜4限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
法学政治学研究科
授業計画
以下の文献を講読します。 Bunce, V. J., T. B. Pepinsky, R. B. Riedl, and K. M. Roberts. 2025. Global Challenges to Democracy: Comparative Perspectives on Backsliding, Autocracy, and Resilience. Cambridge University Press.
授業の方法
参加者は課題文献を事前に読んで、授業に参加します。詳細は第1回授業時に説明しますが、参加者全員が毎回1000〜3000字程度のコメントシートを事前に提出します。また、各回には要約担当者が1人ないし2人割り当てられます。要約担当者は課題文献の要約レジュメ(A4紙3枚程度)を事前に作成し、授業の冒頭でレジュメにもとづく要約の発表を行います。その後、事前に提出されたコメントシートをもとに、全体でのディスカッションを行います。
成績評価方法
(1)授業への積極的参加(40%) テキストの分析、疑問点の提示、事例の考察など、討論に積極的に参加する態度。 (2)コメントシート(40%) コメントシートの提出。単なる感想文ではなく、分析的でユニークな内容であること。 (3)要約レジュメと発表(20%) 内容を的確に、適切な分量でまとめていること。要点を過不足なく簡潔に発表できていること。
履修上の注意
毎回、英文25ページ程度を読むことに加え、コメントシートの作成のために関連する文献やデータにあたる必要があります。粘り強く取り組み、積極的な議論に挑戦する方を歓迎します。