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最終更新日:2025年4月21日

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科学技術と政策過程

科学技術と政策過程
公共政策においては、社会の様々な問題の中から公共的な政策課題として取り組むものを切り出し,そのような政策課題に対応する政策手段を検討・決定し,その政策を実施して実際に社会に働きかけ,その良否を評価する.公共政策過程はこのような一連の政策過程としてモデル化される.本演習では,このような政策過程について、特に科学技術が関わることで生じる複雑性に着目して検討する.
不確実性や利用に際してトレードオフ・ロックインを伴う科学技術をどのような枠組みで捉えるのか,新たな科学技術を利用していくために、どのように社会や制度の移行(transition)を進めていくのか,政策の形成やその実施に必要な専門知や能力を持つ主体は誰なのか,どのような評価軸でその政策の成功と失敗を判断するべきなのかには多様な考え方が存在するとともに,各主体が追求する価値や公共政策に携わる動機もそれぞれ異なる.さらに近年では,グリーントランスフォーメーションや社会的包摂といったグランドチャレンジに見られるように政策課題の複雑化が進む一方で,政府部門内部の行政資源には限界が見られる.そのため,適切な政策によって社会を良い方向へと導くためには,政府部門だけではなく民間部門の様々なアクターとの協働(collaboration)によるガバナンスが求められている.
 本演習では,科学技術が関わる場合に政策過程に関する諸課題について適切に認識できるようになるために,政策過程の各段階に分けてその複雑性を解きほぐすための検討を行う.前半は,文献購読を通じて理論的な視点を学ぶ.後半は,専門家や実務家を招き,実際の科学技術が関わる政策過程に対する理解を深める.その上で,各自の関心に基づき具体的事例や理論的な論点に焦点を当てて最終レポートの作成を行う.これらを通して,多様な主体が関わることの難しさと,不確実性や利用に際してトレードオフ・ロックインを伴う科学技術が関わることの難しさの両方が絡む科学技術と政策過程を取り巻く課題に迫る.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
25-304-062
GLP-LP6306S1
科学技術と政策過程
城山 英明
S1 S2
月曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
法学政治学研究科
授業計画
演習は前半と後半の二部に分けられる. 前半では,政策過程の各段階(課題設定,政策形成,政策実施,政策評価)について事前に指定した文献を読み,報告者の報告と事前に全員が提出したコメントを基に議論を行う. 後半では,前半で認識した論点を踏まえて、様々な分野の国内的国際的な具体的政策過程に関する専門家・実務家のゲスト講義を聞くとともに,最終レポートの構想の発表を行う.
授業の方法
演習形式である.前半は,報告者は指定した文献に関する要約とコメントを作成し,当日の報告を行う.ほかの参加者も事前にコメントを作成して提出する.提出されたコメントを基に全体で議論を行う.後半では,ゲスト講義を踏まえて議論を行うほか,最終レポートの構想を各自が報告する.
成績評価方法
平常点およびレポートによる.
教科書
具体的教材は開講時に指示する.
参考書
城山英明『科学技術と政治』ミネルヴァ書房,2018年 城山英明・鈴木寛・細野助博編著『中央省庁の政策形成過程』中央大学出版部,1999年 砂原庸介・手塚洋輔『新訂:公共政策』放送大学教育振興会,2022年
履修上の注意
事前の文献購読及びコメントの提出、積極的な議論への参加等が求められる。