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最終更新日:2024年10月18日

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国家論

文明と国家の起源
国家は、なぜ存在するのか。人間の自由とは、何なのか。こうした問題について考えるとき、日本の政治学ではアリストテレスやルソーといった西洋の思想家の著作を出発点に考えることが多い。その一方で、西洋の思想家の議論を無批判に日本に当てはめることに対しては、その西洋中心主義を批判する人も少なくない。

それでは、これらの思想家の著作は、いかなる歴史的な条件の下で、どのような問題意識に基づいて書かれたのだろうか。その背景にある西洋社会とは何であり、日本列島や東アジアとはどのように違っていたのだろうか。この問いに対して、はっきりと答えることの出来る人は、決して多くはあるまい。

その観点から、この授業ではマイケル・マンの古典的著作『ソーシャル・パワー』の第1巻を通読する。先史時代からギリシャ・ローマを経て18世紀のヨーロッパに至る歴史を新たな視点から考え直したこの名著に、一学期という時間をかけて、じっくりと向き合いたい。

同時に、本書はマルクスやウェーバーの古典を再解釈する試みでもある。その視野の広さに触れることは、社会科学に取り組むための基礎訓練になるだろう。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
25-304-061
GLP-LP6306S1
国家論
前田 健太郎
S1 S2
水曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
法学政治学研究科
授業計画
毎回、平均して50ページ程度の和文を読む。訳文が読みづらい箇所については、随時、英文の原書を参照する。
授業の方法
報告者を指定し、各回の文献の内容について20分程度の報告を求める。その上で、参加者による質疑応答を行う。
成績評価方法
平常点で評価する。
教科書
マイケル・マン『ソーシャル・パワー:社会的な“力”の世界歴史〈1〉先史からヨーロッパ文明の形成へ 』(森本醇・君塚直隆訳、NTT出版、2002年)
参考書
Michael Mann. 1986. The Sources of Social Power: Volume 1, A History of Power from the Beginning to AD 1760. Cambridge university press.
履修上の注意
授業は13時に開始し、14時45分に終わる。延長は行わないため、4限に授業のある者も受講可能である。