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最終更新日:2024年10月18日
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国家論
文明と国家の起源
国家は、なぜ存在するのか。人間の自由とは、何なのか。こうした問題について考えるとき、日本の政治学ではアリストテレスやルソーといった西洋の思想家の著作を出発点に考えることが多い。その一方で、西洋の思想家の議論を無批判に日本に当てはめることに対しては、その西洋中心主義を批判する人も少なくない。
それでは、これらの思想家の著作は、いかなる歴史的な条件の下で、どのような問題意識に基づいて書かれたのだろうか。その背景にある西洋社会とは何であり、日本列島や東アジアとはどのように違っていたのだろうか。この問いに対して、はっきりと答えることの出来る人は、決して多くはあるまい。
その観点から、この授業ではマイケル・マンの古典的著作『ソーシャル・パワー』の第1巻を通読する。先史時代からギリシャ・ローマを経て18世紀のヨーロッパに至る歴史を新たな視点から考え直したこの名著に、一学期という時間をかけて、じっくりと向き合いたい。
同時に、本書はマルクスやウェーバーの古典を再解釈する試みでもある。その視野の広さに触れることは、社会科学に取り組むための基礎訓練になるだろう。
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