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最終更新日:2025年3月17日

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モデルで考える法と社会

「法と社会科学」入門
 この授業は、「個人や社会をどのようにモデル化するか」という問題を検討することを通じ、個人・社会・法の関係を検討するための視点を養うことを目的としています。
 法が社会の中でどのように作用するかを説明・予測する場合、少なくとも次の点に答える必要があります。
 (1)法に対して、人々(個人や企業)はどのように反応するのか。
 (2)上記の意思決定や行動の結果として、社会はどのようになるのか。
 人々の行動や意思決定がどういうものであるか、それらの行動や意思決定が相互にどのように影響を及ぼしあっているか、あるいは、個人の行動がどのような帰結をもたらすか、といったことを考えるために有用なのが「モデル」です。
 モデルは何も学術的な世界だけにあるのではなく、どんな法律も、個人や社会に関するモデルを何らかの形で想定していると言えます。そして、そのモデルは法分野の間で異なっている場合もあります(たとえば民法、刑法、労働法、消費者法などでどのような人間像が前提とされ、法の対象である社会をどういうものと想定しているかを考えてみてください)。そこで考えられているモデルが妥当なのか、より良いモデルとはいかなるものなのかを検討することは、基礎法学だけでなく実定法学にとっても決して無意味ではありません。
 さらに言えば、法の効果をデータによって実証的に示したいときにも適切なモデルを選択して分析を行う必要があるため、上記の問題について立ち止まって考えてみることは役に立つかもしれません。

 本授業では、個人や社会の関係を描写したり社会現象を予測したりするためのモデル(数理モデルに限定されません)を取り上げながら、「社会における法の機能」について参加者の皆さんと一緒に研究・議論したいと考えています。
 詳細は参加者の関心に応じて調整したいと思います。ただし、少なくとも下記のテーマは扱う予定です。

・モデルと社会科学
・ルールと人間行動
・個人の行動に関するモデル(合理的選択モデル、行動経済学のモデル、ルールベースモデルなど)
・ゲーム理論のモデル(協力、集団行動、シグナリングなど)

 法学政治学研究科および法学部の授業ですが、他の研究科・学部の方のご参加も歓迎します。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
25-303-181
GLP-LP6218S1
モデルで考える法と社会
飯田 高
S1 S2
水曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
法学政治学研究科
授業計画
概ね下記のように進める予定です。第4回以降の内容は、参加者の希望に応じて調整します。 第1回:ガイダンス 第2・3回:社会のモデルと法(担当教員による説明) 第4回以降:参加者による発表とディスカッション
授業の方法
最初の数回は、担当教員が概括的な説明を行います。 演習形式で進める予定です。
成績評価方法
基本的に平常点(発表を含む)によって評価します。 小レポートを課す場合もあります。
教科書
開講時までに担当教員が教材を用意します。
参考書
さしあたり、下記の文献を参考文献として挙げておきます。 *江崎貴裕『数理モデル思考で紐解く RULE DESIGN:組織と人の行動を科学する』(ソシム、2022年) *高橋真吾・後藤裕介・大堀耕太郎『社会システムモデリング』(共立出版、2022年) *スコット・E・ペイジ『多モデル思考:データを知恵に変える24の数理モデル』(椿広計監修・長尾高弘訳、森北出版、2020年) *日本数理社会学会監修『社会を〈モデル〉でみる:数理社会学への招待』(勁草書房、2004年) その他、受講者の関心に合わせて、授業中に紹介します。
履修上の注意
特になし。数学や経済学などの知識は必要ありません。
その他
もし授業に関するご質問がありましたら、*****にお問い合わせください。