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最終更新日:2024年4月22日

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フランスからみる近時の民法改正

フランスからみる近時の民法改正
 日本民法は近時大きな改正を複数回経験した(とりわけ、H29法律44号、H30法律72号、R3法律24号、R4法律102号)。さらなる改正に向けて議論が続けられている(法制審・家族法制部会、担保法制部会)。諸論点の由来、展開、帰結を追うと、比較的多くの場面でフランス法の規律、あるいはフランス的な「ものの考え方」が参照されていることがわかる。
 時に告発されるように、自国法の改正に際して外国法を参照することのそもそもの正当性に疑義を呈することもできるであろう。また、参照対象が他の法制ではなくフランス法であることの歴史的背景を論ずることもできるであろう。しかし本授業では、そうした批判、関心を一旦括弧に入れて、着想の源泉とされたフランス法の諸概念、諸制度の理解それ自体を問題とし、日本法との通約可能性の有無、程度を考えてみたい。また、フランスにおいても近時に改正がなされた分野については、同種の現代的課題に対する解法が、なぜ、いかにして分岐するのかを考えることになる。
 具体的テーマとしては、彼我の差異を摘出しやすい家族法(相続法および親子法)から開始し、債権法に展開する予定である。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
25-303-031
GLP-LP6218L1
フランスからみる近時の民法改正
齋藤 哲志
A1 A2
月曜3限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
法学政治学研究科
授業計画
さしあたり以下のようにテーマを配するが、進行の程度により変更の可能性を留保する。 第1回 :ガイダンス、前提の確認 第2回 :相続法(1)配偶者相続権①(相続分) 第3回 :相続法(2)配偶者相続権②(居住権) 第4回 :相続法(3)贈与・遺贈、遺留分 第5回 :相続法(4)遺産管理、遺産分割 第6回 :親子法(1)生殖補助医療 第7回 :親子法(2)特別養子、内密出産 第8回 :親子法(3)嫡出推定 第9回 :親子法(4)親権 第10回:債権法(1)錯誤 第11回:債権法(2)契約不適合責任 第12回:債権法(3)相殺 第13回:予備日、あるいは、まとめ
授業の方法
以下のような2部構成とする(ただし、フランス語を解する受講者については、この限りでない)。 ① 予め指定するテーマにつき、次の2点に関して、受講者による短時間の報告を求める(受講者が多数であれば分担を考える)。第一に、法制審の議事録、解説書等を基礎として日本における改正時の議論を整理し、第二に、予め指定する邦語文献から得られるフランス法の概要を提示してもらう。報告後、質疑を行う。 ② 講義形式で、フランス法の内在的理解、比較法への展開につきポイントを整理する。受講者には、日本法の観点からのリアクションを求める。
成績評価方法
平常点(40%)および期末レポート(60%)による。報告は平常点として考慮する。 なお、登録者数次第では報告が全員にあたらないことがありうる。この場合、報告を担当しない受講者については、平常点20%、期末レポート80%とする。 筆記試験を行わない。 成績をA+・A・B・C+・C-・Fで評価する。
教科書
資料、レジュメを配布する。
参考書
岩村/大村/齋藤編『現代フランス法の論点』東京大学出版会2021 アンセル/フォヴァルク=コソン(齋藤/中原訳)『フランス新契約法』有斐閣2021 幡野/齋藤/大島/金子/石綿『フランス夫婦財産法』有斐閣2022 これら以外は授業中に指示する。
履修上の注意
なし。