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最終更新日:2025年4月21日

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リスク社会と不法行為法の諸課題

リスク社会と不法行為法の諸課題
現代社会には、数多くのリスクが存在する。道路交通、環境、医療、災害などの従来型リスクに加え、原子力、SNS等を含む情報通信、インターネット取引、AI利用に伴うリスクなども社会的に注目を集めている。他方で、古典的な不法行為法では権利侵害・損害の発生を責任要件としているため、リスク自体を根拠に責任を肯定する考え方はとられてこなかった。そこで近時は、リスクが現実化しなければ法的対応をとれないのでは社会全体が大きな社会的損失を被ることになりかねないため、より早期の民事的・行政的な介入を正当化できるようにすべきだとの主張もなされている。本演習では、このような状況のもとで不法行為法(無過失責任や差止請求などを含む)はいかにあるべきか、解釈論・立法論の両面から種々の問題を考察することを目的とする。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
25-302-007
GLP-LP6121S1
リスク社会と不法行為法の諸課題
米村 滋人
A1 A2
月曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
法学政治学研究科
授業計画
本演習では、リスクに関連する問題を広く検討対象とし、不法行為法の一般理論に関する検討も行うことを予定している。具体的な問題の例は以下の通り。(しかし、実際に取り扱うテーマは参加者と相談の上決めたいと考える。以下はあくまで一例である。)  Ⅰ リスクと不法行為法理論   リスクと権利侵害(平穏生活権等)、リスクと損害、リスク回避義務と予防原則、リスクと差止め、リスクと人権(基本権保護義務)、リスクと危険責任  Ⅱ 先端科学技術とリスク   医療・医薬品のリスク、原子力利用のリスク、情報通信・サイバーセキュリティとリスク、インターネット取引とリスク、自動運転車のリスク、AI使用機器のリスク  Ⅲ 自然現象・人為的活動とリスク   自然災害のリスク、気候変動のリスク、環境損害のリスク、企業活動のリスク(使用者責任)、子ども・精神障害者等のリスク(監督義務者責任)、製造物のリスク(製造物責任)
授業の方法
参加者数によって形式の変更がありうるが、基本的には、毎回テーマごとに1人ないし2人の学生に報告をしてもらい、その後全員で討論を行う形式で進める。報告者はもちろん、各参加者も、その日のテーマにつき教科書等で基本的な知識を確認してから参加することが望ましい。
成績評価方法
筆記試験は行わない。 平常点を考慮する(50%)。 レポートを課す(50%)。
教科書
特に教科書は指定しない。
参考書
大塚直=米村滋人編『多様なリスクへの法的対応と民事責任』(商事法務、2024年)を挙げる。その他の文献等については初回授業の際に紹介する。
履修上の注意
本科目は、毎回30分から1時間程度延長する可能性がある。
その他
本科目は、大学院法学政治学研究科(法曹養成専攻)、法学部との合併で開講する。