学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2026年10月16日
授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。
財政法
財政法
財政法は、文字通り「財政」を規律する法規範の体系であるが、政治的・経済的動態性を本質とする財政を法学的に扱うことは、元来、極めて困難な企てである。財政の法学的把握は未だ満足な水準に達しておらず、しばしば現象の後追い的な記述に留まる。しかし、ある時期までの近代議会民主制の展開を主導したのが財政問題であったこと、さらに財政が金融制度を介して市場経済社会のあり方と密接に関わってきたことを考えれば、「財政の法学的把握」を巡る如上の現状は、深刻な方法論的反省の対象とされて然るべきであろう。事実、近時の財政運営をめぐる様々な展開は、法的に興味深く重要な検討の素材が多数伏在していることを示唆する。ところが、これを分析すべき法学の道具立ては甚だ不十分と言わざるを得ない。
斯様な問題意識に立脚する本講義は、(1)財政法学が議論すべき対象としての「財政」を幅広い経済・社会構造の中で捉え、(2)方法論の拡張によって実質的に意味のある「財政の法学的把握」を提示することを目的とする。第1の側面では、特に、財政と、金融市場・通貨秩序の関係が視野に含まれる。第2の側面では、現代財政の機能面での変質(国家が社会保障や投資に関わることによる、財政の時間軸の長期化)が財政法にいかなる質的変化をもたらしたか、に注意が喚起され、この構造を把握しうる法的概念が探究される。そのために、現在進行形であり未だ正解が(国際的にも)確立していない財政上の諸問題、例えば、財政規律ルール導入、日本銀行による巨額の公債保有、「国富ファンド」のガバナンス、政府調達における社会的政策追求などを具体的に論じ、これらとの対峙を通して現代財政の実像に即した財政法学の体系と課題を析出したい。
MIMA Search