法における翻訳の諸問題

オムニバスで各教員が原則として３回ずつ講義する。 今年度の授業は，全てオンライン授業として実施予定である． 接続情報は，ITC-LMS上の本授業の「オンライン授業情報」欄を参照すること． 第１回(4月6日)に授業ガイダンスとして，授業内容とレポートについての説明をZoomによるオンライン授業として実施する． 第2回以降の各教員の授業内容は、以下の通りである。教員毎にURLが異なるので注意すること． 4月13日、20日、27日: 伊藤(*****)：多言語使用はヨーロッパ法の重要な特色の一つである。EUの諸機関・裁判所における作業言語，多数の言語ヴァージョンによる正文の存在，更にヨーロッパ法形成における比較法の問題点等に関する問題を取り上げる。 5月11日，18日，25日: 浅香：法学分野での英日・日英の翻訳・通訳の勘所について論ずる。単に言葉の置き換えではすまない事態につき，具体的な英文例なども参照しながら検討する。 連絡はITC-LMSで行う。 浅香メールアドレス：***** 6月1日、8日、15日: 田口：中世以降のドイツ法史は、ラテン語で書かれた法テクストから大きな影響を受けつつ展開した。そこで、ラテン語とドイツ語の間の翻訳という問題を、中世初期の部族法典、中世中期の法書史料、中世後期から近世の都市法から題材を採りつつ検討する。それを通じて、西洋の法概念の日本語への翻訳についても、どのような示唆が得られるかを考えたい。 田口のメールアドレスは、***** 田口担当分については、ITC-LMSにレジュメを掲示するので、受講にあたって参照してほしい 6月22日、6月29日、7月6日: 高見澤：2020年に制定された中華人民共和国民法典を素材に中国法の用語を日本語に翻訳する際に生じる問題について検討する。中国語学習歴があることを前提としない。中国民法が、市場メカニズムを支える基盤として、他の国や地域の民法を参照しながらも、社会主義国であることも原理に加えて形成されていることを理解することを目標とする。漢字圏どうしの翻訳にともなう問題を認識することも目標とする（1、中国民法史；2、民法典翻訳その1；3、民法典翻訳その2）。教材の配布やオンラインを用いた場合の連絡については、このUTASやITC-LMSに留意されたい。

講義

レポート提出(標題，氏名，学生証番号，採点希望教員名を表紙に明記すること)をもって試験に代える。 提出期限は2021年7月30日(金)正午。 [重要] 提出方法に関しては，今後の新型コロナウィールス感染状況により変更がありうるので，ITC-LMSのこの授業の「お知らせ」の指示に従うこと． 成績をＡ＋・Ａ・Ｂ・Ｃ+・Ｃ－・Ｆで評価する

各授業において適宜指示する．

基本的参考文献として，Ichiro Kitamura, La traduction juridique, Les Cahiers de droit, 1987, pp. 747-792 ; Problems of the Translation of Law, Victoria Univ.of Wellington Law Review, 1993. 柳父章『翻訳語成立事情』岩波新書；『翻訳とは何か』『近代日本語の思想』法政大学出版局。平子義雄『翻訳の原理』大修館書店。丸山真男・加藤周一『翻訳と日本の近代』岩波新書。田中英夫『英米法のことば』（有斐閣）。早川武夫・椙山敬士『法律英語の基礎知識・増補版』商事法務（2005）。柏木昇ほか「特集・法令外国語訳整備の推進」ジュリスト1312号（2006）。 髙見澤担当部分については、髙見澤磨・鈴木賢・宇田川幸則・坂口一成『現代中国法入門』（第8版）有斐閣（2019）を参考図書とする。

各授業において適宜指示する． 第2回以降の教材は，ITC-LMS(https://itc-lms.ecc.u-tokyo.ac.jp/*****)にアップロードされる予定である．