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最終更新日:2024年3月15日

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教師のライフヒストリー研究

教師のライフヒストリー研究/ Exploring life history research focused upon teachers' experience
教師のライフヒストリー研究は1980年代に欧米で広がり、オーラルヒストリーやナラティヴ研究への注目とともに、2000年代以降、日本でも事例研究の蓄積が生み出されました。その一方で、各々の事例研究が依拠する方法論についての省察は、ライフヒストリー研究者のこれからの課題として残されています。この授業では、教師のライフヒストリー研究の歴史を共有するとともに、事例研究の作品の検討を通して、各々の方法論のもつ特徴と課題を学ぶことを目標とします。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
23-303-06
GED-AS6306L1
教師のライフヒストリー研究
高井良 健一
S1
金曜4限、金曜5限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教育学研究科
授業計画
第1回 オリエンテーション 第2回 個人史と教師のライフヒストリー研究 第3回 草創期の事例研究  第4回 草創期の方法論 第5回 時代を教師の経験から探究する 第6回 カリキュラムを教師の経験から探究する 第7回 教師の人生に協働での語りを通してアプローチする  第8回 教師の人生に協働での語り直しを通してアプローチする 第9回 ナラティヴに対する批判 第10回 教師のライフヒストリー研究に対する批判的考察 第11回 教師の語りの様式を読み解く 第12回 教師のライフヒストリー研究の省察と解釈学的アプローチ 第13回 ジェンダーによる不平等、トップダウンの教育改革の実態を照射する 第14回 教師のライフヒストリー研究を行うということ - 物語の規範化ではなく、エンパワーメントされるスペースをつくる
授業の方法
授業はゼミナールの形式で行います。受講生は、あらかじめ指定された論文やテキストを読んだ上で、授業に出席することが求められます。初回の授業を除いて、各回の授業では、コメンテーターを担当する受講生は、レジュメを作成します。レジュメには、論文やテキストの簡潔な概要とコメンテーターの観点からのコメントを記載します。具体的には、毎回の授業は、次のような形式で行われる予定です。 まずは、受講生による「教育研究と私」のコーナから始まります。これは、スターターを担当する受講生が「教育研究に至ったストーリー」を語るものです。受講生は、このストーリーを聴き、応答のコメントを語ります。続いて、担当教員が各回の論文やテキストのコンテクストとバックグランドについての紹介を行います。その後、コメンテーターが論文やテキストの概要を簡潔にまとめたあと、論文やテキストの知見の卓越性と方法論の特徴、そして課題についてのコメントを行います。コメンテーターの発表を受けて、受講生全員でコメントの交流を行い、担当教員がコメントを重ねて、教師のライフヒストリー研究に対する理解を深めます。論文やテキストから学び得た知見とともに、論文やテキストと出会って生じた「わからなさ」や「困難」についても共有することを目指します。以上のような形式で授業を行う予定です。
成績評価方法
成績評価は、毎回の授業におけるコメントの交流、ディスカッション、学びあいへの参加ならびにコメンテーター、スタータとしての発表等によって、総合的に行います。
教科書
課題論文やテキストを準備します。
参考書
◎高井良健一『教師のライフストーリー』(勁草書房) ◎金子奨・高井良健一・木村優『「協働の学び」が変えた学校 新座高校 学校改革の10年』(大月書店) ◎アイヴァー・グッドソン&パット・サイクス(高井良健一・山田浩之ほか訳)『ライフヒストリーの教育学』(昭和堂)
履修上の注意
ライフヒストリーの鍵は「聴く」という営みにあります。受講を希望する人には、自分の経験の外に踏み出して「聴く」構えを共有することを求めます。また、この授業は、担当教員が受講生に対して即効性のある研究方法論を伝えるものではありません。そもそも担当教員はそのようなものを持ち合わせていないのです。この授業は、多様な教師のライフヒストリー研究から学びつつ、教師研究の難しさと可能性について学びあうものです。教師の人生と経験世界に深い関心をもち、先人のテクストを媒介として、ほかの受講生とともに学びあうことを求める方々の受講をすすめます。
その他
*原則として、全回対面での授業を予定していますが、新型コロナウイルスの感染状況や担当教員のスケジュールの関係でオンラインでの授業が行われる可能性もあります。その場合は、Zoomによるリアルタイムのオンライン授業を行う予定です。