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最終更新日:2024年4月22日

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コミュニティアプローチ特論(家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践)

 現代の先進国では,4人に1人が生涯に1度は精神疾患を経験する.疾患の社会的負担を数値化したDALYs(障害調整生命年)は,先進国ではがん・心臓疾患等を抑えて,精神疾患がトップである.日本では,20代の死因のトップが自殺であり,先進国の中でもメンタルヘルスの問題が特に深刻になっている.我が国のメンタルヘルスの問題が深刻化している背景には,地域精神保健システムの脆弱さがある.病院中心で展開される専門職中心のサービスモデルは,世界的に見ると時代遅れであり,非効率だが,残念ながら日本では改善の糸口が見えていない.
 本授業の目標は,以下の4点である.①英国を中心とした世界最新の地域精神保健システムについて理解する,②地域精神保健の中で臨床心理士の果たす役割について学ぶ,③議論を通じて,日本の精神保健システムの問題点・課題を理解する,④日本の地域精神保健システムを改革するための解決策と臨床心理士が果たすべき役割について,参加者各自が明確な考えを持つ.授業では,英国での取り組みに加えて,日本で始まった先駆的な事例を紹介し,具体的な解決策についても考えたい.
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
23-216-11
GED-IE6641L1
コミュニティアプローチ特論(家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践)
山﨑 修道
S2
集中
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教育学研究科
授業計画
※基本的にはディスカッション・ワークショップ形式の授業とする.取り上げる内容については,適宜参加者の希望に合わせて調整する. 1.イントロダクション:授業を始めるに当たって 2.No health without mental health ~4人に1人が経験する精神疾患 3.病院中心のサービスモデルは失敗した~精神保健医療の歴史 4.コミュニティメンタルヘルス先進国・英国① 地域に根差した英国の精神保健システム~統合失調症の支援を例に 5.コミュニティメンタルヘルス先進国・英国② 地域社会の中での臨床心理士の働き方と役割 6.コミュニティメンタルヘルス先進国・英国③ チームの中での臨床心理士の役割~「精神医学診断実験」を例に 7.専門家中心から市民中心へ~東京都世田谷区の例① 地域・行政との協働 8.専門家中心から市民中心へ~東京都世田谷区の例② 市民ボランティア・NPOとの協働 9.専門家中心から市民中心へ~東京都世田谷区の例③ 精神疾患を経験した当事者とそのご家族の協働 10.コミュニティメンタルヘルスを支える研究① ライフコースアプローチによる出生コホート研究 11.コミュニティメンタルヘルスを支える研究② Tokyo TEEN Cohort研究:日本における思春期出生コホート研究 12.コミュニティメンタルヘルスを支える研究③ 精神疾患当事者主導による研究:User-led study 13.何故コミュニティメンタルヘルスが重要なのか① 人とのつながりが心を守る 14.何故コミュニティメンタルヘルスが重要なのか② 生活の中でウェルビーイングを高める 15.まとめ:日本でコミュニティメンタルヘルスを実現するために必要なことは何か
授業の方法
冒頭に短いレクチャー・情報提供を行った後,参加者同士でディスカッションを行う.
成績評価方法
課題レポート(70%)と参加度(出席点)(30%)による
教科書
精神保健サービス実践ガイド 日本評論社
参考書
精神保健サービス実践ガイド 日本評論社
履修上の注意
特に準備は必要ありませんが,主体的に授業に参加できる方・コミュニティメンタルヘルスに関心のある方を歓迎します.