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最終更新日:2024年10月1日

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大学教育開発論

大学教育開発論 Teaching Development in Higher Education
授業の概要
現在、大学教員としてのキャリアを進むにあたっては、研究者としてだけでなく、教育者としての資質も問われています。本授業は、東京大学フューチャーファカルティプログラムとして、学生が主体的に学ぶために必要な学生のモチベーションの高め方、授業デザインやシラバス、評価方法などを学びます。また、アクティブラーニングの手法を取り入れたグループワークを多く経験し、模擬授業の実践も行います。多様な研究領域から集う受講者相互の学び合いは、新しい視点の獲得につながり、また、プログラムの修了後も継続するネットワークを培います。本授業で学んだことは「目的・目標を明確にし、達成するためのデザイン」や「伝えたいことが確かに相手に伝わるコミュニケーション」を学ぶという点で研究活動の向上にも活きることでしょう。
 また、新型コロナウイルス感染症への対応のためすべての授業回をオンラインでの開催となりますが、オンライン授業の特性を生かした授業を体験し、自らも実施できることを目指します。

目的と目標
(目的)
 本授業では、未来の大学教員として、責務としての「教育」の重要性を認識し、学生の立場にたった教育の設計と実行を可能にすることを目的とします。そのために、授業実施に向けた実践的な知識やスキルを多様な専門領域の受講生とともに実際に体験し、互いに学び合いながら獲得し、さらに、研究だけでなく教育についても探究し続ける姿勢を身につけます。
(目標)
-高等教育の現状の概要について説明できる
-効果的なデリバリースキルの観点を知り、自分のスキルの向上につなげる
-グループワークに積極的に参加し、当事者およびファシリテーターとしてのコミュニケーション力をつける
-学生が主体的に学べる1回の授業および授業全体のデザインができる
-基礎知識をふまえた評価をデザインできる
-学んだ知識を模擬授業として活用し実施できる
-キャリアパスについて考え、日頃の活動や今後の展望について整理できる
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
23-214-15
GED-ZZ6101L1
大学教育開発論
栗田 佳代子
S1 S2
木曜3限、木曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教育学研究科
授業計画
大学教育開発論は木曜クラス、金曜クラスの2つ開講していますが、どちらも同じ内容です。 授業は原則的に隔週で2コマ続きで行います。下記の日程の予定ですが、万が一変更がある場合には予めお知らせします。 DAY1 4/13 研究紹介演習・高等教育の現在、東大FFPの概要と意義  「教員としての1分間研究紹介」の実践を行います。また、その参観と相互評価を通して、受講者相互の連携を高め、学ぶ環境を整えます。  高等教育の変化について学び大学のおかれている状況を理解し、東京大学フューチャーファカルティプログラムの概要と意義を確認します。  演習:1分間研究紹介と相互評価 DAY2 4/27 クラスデザイン  授業設計の基礎を学びつつ、構成の指針や観点も踏まえて、自身が設定した授業科目の一コマを設計について学びます。  学生の主体的な学習が『実る』ために不可欠なモチベーションについて理解します。学習者主体の授業方法として注目を集めているアクティブラーニングの複数の手法について体験を通して学びます。  演習:アクティブラーニングの方法体験、6分間クラスデザインシートの作成 DAY3 5/18 評価  授業における評価の方法や意義について理解します。学生の学びを促し、レポート課題等の評価に役立つルーブリックを作成します。  演習:ルーブリックによる採点とルーブリックの作成 DAY4 5/25 コースデザイン (シラバス)  シラバスの基本的構成を知り、作成の目的と役割の重要性について理解します。自身の専門についての初年次教育を担当すると仮定したシラバスを作成します。また、特に授業の構造化に役立つグラフィックシラバスに取り組みます。 演習:シラバス改善、グラフィックシラバス作成 DAY5 6/8 授業改善とふりかえり  模擬授業の事例の授業改善を中心にしつつ学生参加をうながすようなファシリテーションについて学びます。  これまでの授業全体を通した振り返りを行い、学んだこと等についてポスターツアーを経験しながら共有します。  演習:模擬授業検討会、ポスターツアー DAY6 6/22 模擬授業 ~実施(1)と改善~  4グループにわかれ、模擬授業の演習を行います。メンバー同士で議論を重ねつつ、授業デザインや教授方法について学びを深めながら、模擬授業の改善をはかります。  演習:模擬授業実施と相互評価 DAY7 7/6 模擬授業 ~実施(2)~  2グループにわかれ、2回めの模擬授業を実施し相互評価を行います。  演習:模擬授業実施と相互評価 DAY8 7/20 SAPチャート作成によるキャリアパス展望  自分の教育・研究、その他の活動についてふりかえって俯瞰し、その活動の核を見出します。大学教員としてのキャリアパスを展望します。  演習:SAPチャート作成
授業の方法
全てオンラインで受講できます。基本はフルオンラインの授業ですが、DAY8のみハイブリッドで実施予定です。 本授業では、アクティブラーニングの実際の方法を体験的に学ぶことを目的として、グループワークやペアワークをはじめとする相互学習形式を多く取り入れますので、ただ聴くだけではなく積極的な授業参加が求められる授業です。これらは、全てオンライン形式で実施します。携帯電話やタブレットのみでは受講できません。PCでの受講が必須となります。 また、本授業は基本的に日本語でのコミュニケーションを前提としています。英語で本内容を受講したい場合には、Teaching Development in Higher Education in English/Teaching Development in Higher Education in English(23-214-19)の受講をおすすめします。 また、実践を重視するため、実際に授業のデザインやシラバス作成、模擬授業の設計・実施などの課題への取り組みを通して学びます。
成績評価方法
授業への参加状況25% 課題の提出状況および質的評価75% (内訳)100点満点とした場合の各配点 授業の参加状況 25  個人ワークへの取り組み 10  グループワークへの貢献 15  *授業の参加状況については、基本的な受講態度を考慮します。授業に集中し、真摯に取り組みグループワークや全体に貢献する姿勢を評価します。授業中に他用を行う、グループワークの進行を妨げる、加わらない、などの態度が見られる場合に減点とします。  *ただし、模擬授業の回については、原則出席してください。2回(DAY6,DAY7)とも欠席の場合は、修了条件である「欠席回数が2回以下」を満たしていても、修了とは認められません。 課題の提出状況および質的評価 75  研究紹介の実施 6  シラバス・グラフィックシラバス 15  クラスデザイン 10  模擬授業 20  各回の振り返り 24(3*8回)
教科書
教科書は特に定めません。配布資料によって授業を進めます。
参考書
参考書・リーディングリストについては適宜指示しますが、代表的なものを下記に示します。 -栗田佳代子・日本教育研究イノベーションセンター(編)(2017)「インタラクティブ・ティーチング」河合出版  東大FFPの内容をベースに開発されたオンライン講座のテキストです。東大FFPの予習・復習のテキストとして使いやすいと思います。 -スーザン・A・アンブローズほか著 栗田佳代子訳(2014)大学における「学びの場」づくり:よりよいティーチングのための七つの原理 玉川大学出版部  モチベーションやフィードバックなど、研究の知見に基づいた理論の解説と具体的な適用方法について解説された良書です。
履修上の注意
3月下旬になるとエントリーフォームがオープンします。定員(25名)がありますので選考を行います。単なる授業登録のみでは受講は認められませんのでご注意ください。 前提知識は特に必要としません。 本学の正規大学院生は「大学教育開発論」として2単位が認められます。単位取得を希望する者は、各研究科にて受講登録を行ってください(単位取得を希望しない場合には受講登録は不要です)。
その他
(受講ルール) -本授業は一日で2コマ連続の実施です。基本的に全ての回に出席してください。授業における学習者間の学びが重要と考えますので、4コマ分(2日間)を越えて休んだ場合はいかなる理由でも不可とし、修了とはみなしません(原則登録曜日の受講としますが、やむを得ない場合異なる曜日開講の授業の振替受講が可能です)。なお、この例外として、DAY6,DAY7いずれも欠席となる場合には、4コマ分以内であっても修了とはみなしません(模擬授業の実施が大変重要であるためです)。 -欠席の場合には授業日午前10時までに欠席届を予め提出すること。無断欠席の場合には、減点の対象とします。欠席届は受講決定通知において連絡します。 -連絡事項および資料共有は、Google Classroomで行います。受講決定通知において詳細をお知らせします。 -欠席した当日の資料は、翌週に配布しません。Google Classroomからダウンロードしてキャッチアップをしてください。 (受講者決定方法) -履修希望者が多数の場合は、原則的にエントリーフォームの記載項目による選考を行います。 -(選考基準)選考時の優先事項として、日本学術振興会の特別研究員採用者および採用経験者を優先します、また、研究科のバランスを考慮する場合があります。エントリーフォームの研究紹介について「専門領域外の人にわかりやすく伝えられているかどうか」という観点も重視します。「今年度が履修最後のチャンス」などの情報は動機欄に追加してください。考慮対象となることがあります。 (科目履修登録について) 本科目は大学院共通科目です。受講を許可された方のうち単位取得を希望する人は、各自所属研究科の方法にしたがい、必ず科目履修登録を行って下さい。 (履修証)  所定の活動を修了した受講者には、履修証を交付します。 その他 -本シラバスおよび授業内容は、2014年度に、2013年度修了生有志による東大FFP授業改善勉強会による提案をもとに改訂されました(有志の皆様ありがとうございました)。このように受講生の協力によって進化を続けているプログラムです。 -東大FFPには修了生のネットワークがあり、学振申請書類のワークショップや各種勉強会の企画実施等の活動が続けられています。非常勤講師ポストの紹介なども行われています。このネットワークには本プログラムの修了者およびオブザーバーのみ加入できます。 -本授業は東京大学フューチャーファカルティプログラムとして東京大学在籍者を対象に提供されていますが、他の所属機関の方々には、オブザーバーという制度で若干名の受け入れを行っています。お問い合わせフォーム(http://www.utokyofd.com/*****)にて個別にご相談ください。また、本学学内教員の方々のご見学も歓迎しております。お問い合わせフォームにてご連絡ください。