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最終更新日:2026年4月20日
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比較大学論
大学の比較的考察、および歴史的考察を行う。
この授業では、大学を比較と歴史の視点から考察することにより、大学に関する複眼的かつ幅広い視野を獲得することを目標とする。主にアメリカの大学を対象に講義を行うが、アメリカの大学に関する知識を習得すること自体が目的ではなく、比較史的考察を通して、各受講者が大学に関する思考を深めることを重視する。
大学とは本来、普遍的な知の拠点として、国や地域の枠組みにとらわれずに世界的に知的活動を展開させる性格を潜在的に有している。一方、近代社会の成立以降、大学が本質的な機能として担ってきた高等教育は各国の教育制度において人材養成・配分機能の重要な一角を担い、ゆえに、教育内容の特性、中等教育制度との関係、労働市場との関係などの点において、その構造と機能は国ごとの独自性を持っている。また、大学の活動のもうひとつの主軸である研究活動は、それ自体は普遍性を志向する活動であるが、その具体的態様は、研究資金と研究の場の提供を通じて社会における諸勢力(とりわけ政府)との関係に規定されており、その実態は国によって異なっている。すなわち、大学は本来的な性向として普遍性を追求しつつも、その教育機能をとっても研究機能をとっても、あるいは社会貢献機能をとっても、現実的には各国の政治・経済・文化等、広い意味での社会の諸条件の中でそれら機能を果たしている社会的組織である。またそこでは、それら諸条件の時代的変化の中で歴史的に形成されてきた大学の外的・内的構造が紐帯として現実の大学のあり方を大きく規定してもいる。
大学・高等教育について包括的な理解を持つ上では、普遍的・一般的な大学のあり方を各国の特殊性を捨象して捉えることが必要である。しかし、大学・高等教育は歴史的な社会変動や各国独自の社会的諸条件から独立して真空の中に存在しているわけではない。それゆえ、大学・高等教育をその実態を伴ったかたちで把握する上では、歴史的にみた大学・高等教育の変容、各国の諸条件の違いを反映した大学・高等教育の特殊性を視野に入れなければならない。さらには、そのことと関係しつつ、大学という存在の定義自体が国によって異なり、またとりわけ現代では一国の内部でも多様化しているという実態を踏まえるとき、そもそも大学をどう定義付けうるのかという問題自体、一義的な解答を与えられる問いではない。
本講義では、アメリカの大学を対象に検討を行うが、それは、アメリカの大学が戦後日本の大学改革のモデルとなり、あるいは現在世界で大学改革のモデルと位置付けられていることが直接の理由ではない。アメリカの大学システムは高度な多様性を備えており、その多様性の検討を通して、大学・高等教育のあり方を多角的に検討し、我々の持つ大学像を拡張することが主な目的となる。さらには、教育や学術、社会との連携など、多方面でこれまで様々な取組が行われてきた歴史を振り返る中で、現代の問題にも通じる、大学・高等教育の本質的な使命や課題にアプローチする視座を、本授業を通して培ってもらいたい。
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