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最終更新日:2025年4月21日
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アジアと日本の家族とジェンダー
「いま・ここ」を知るためには、「いま」ではない時、「ここ」ではない場所に思いを馳せなくてはならない。「わたし」を縛るとともに可能にしている「構造」を知らねばならないからである。そのような認識から比較社会学と歴史社会学という方法を用いて家族とジェンダーを研究してきたところ、「近代家族」論は「20世紀体制」論へ、「家」研究は「世界の重層的多様性」の理論へと行き着いた。本講義では講師の現時点での到達点を受講生の皆さんに共有し、そこからどのような新しい風景が見えるのかを議論したい。
欧米ではない地域から、また元来の男性ではないジェンダーの視点から、知的体系の更新を提案するとはどういうことなのかを講師と共に考える。次の時代に新たな貢献ができるよう準備することを、受講生各人の目標としてほしい。
授業の前半では、「近代家族」論から「20世紀体制」論への展開を、キーコンセプトである「ケア」に焦点を当てながら論じる。アジア諸地域でのフィールド調査の様子と、その成果の理論化のための悪戦苦闘も紹介する。
授業の後半では、アジアの研究者との協働により進めてきた「アジアにおける共同研究・比較研究のための基盤構築」事業、およびそれを通して見えてきた新たなアジア像・世界像について講じる。新たな視野に置いてみると、特殊と言われてきた日本の「家」はどのように語り直せるか、政治課題となっている夫婦の姓の問題にどのような提案ができるか、なども議論したい。
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