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最終更新日:2025年4月21日

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アジアと日本の家族とジェンダー

「いま・ここ」を知るためには、「いま」ではない時、「ここ」ではない場所に思いを馳せなくてはならない。「わたし」を縛るとともに可能にしている「構造」を知らねばならないからである。そのような認識から比較社会学と歴史社会学という方法を用いて家族とジェンダーを研究してきたところ、「近代家族」論は「20世紀体制」論へ、「家」研究は「世界の重層的多様性」の理論へと行き着いた。本講義では講師の現時点での到達点を受講生の皆さんに共有し、そこからどのような新しい風景が見えるのかを議論したい。
欧米ではない地域から、また元来の男性ではないジェンダーの視点から、知的体系の更新を提案するとはどういうことなのかを講師と共に考える。次の時代に新たな貢献ができるよう準備することを、受講生各人の目標としてほしい。
授業の前半では、「近代家族」論から「20世紀体制」論への展開を、キーコンセプトである「ケア」に焦点を当てながら論じる。アジア諸地域でのフィールド調査の様子と、その成果の理論化のための悪戦苦闘も紹介する。
授業の後半では、アジアの研究者との協働により進めてきた「アジアにおける共同研究・比較研究のための基盤構築」事業、およびそれを通して見えてきた新たなアジア像・世界像について講じる。新たな視野に置いてみると、特殊と言われてきた日本の「家」はどのように語り直せるか、政治課題となっている夫婦の姓の問題にどのような提案ができるか、なども議論したい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
23-212-18
GED-IE6244S1
アジアと日本の家族とジェンダー
落合 恵美子
S2
集中
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教育学研究科
授業計画
1日目 親密圏と公共圏の社会学―近代家族から20世紀体制へ 2日目 ケアの20世紀体制を超えて―アジアのケアの比較調査から 3日目 アジアの家族と親密圏とジェンダー―重層的多様性の中に日本を置き直す 4日目 第2の近代の日本とアジア―総合討論
授業の方法
その日のテーマに関連する講師の著作の概要を講義し、続けて重要トピックについて受講者と質疑および討議を行う。さらに4日目に総合討論を行なう。
成績評価方法
授業中の討議への貢献 50%  レポート 50%
教科書
教科書は用いないが、参考書を用いる。
参考書
落合恵美子 2023『親密圏と公共圏の社会学―ケアの20世紀体制を超えて』有斐閣 落合恵美子・森本一彦・平井晶子編 2022『リーディングス アジアの家族と親密圏』(全3巻)有斐閣 小浜正子・落合恵美子編 2022『東アジアは「儒教社会」か?―アジア家族の変容』京都大学学術出版会 落合恵美子編 2006 『徳川日本のライフコース――歴史人口学との対話』ミネルヴァ書房 落合恵美子編 2015『徳川日本の家族と地域性――歴史人口学との対話』ミネルヴァ書房 落合恵美子 2019『21世紀家族へ――家族の戦後体制の見かた・超えかた(第4版)』有斐閣
履修上の注意
参考書の関連部分を予習して授業での討議に貢献できるように準備する。 講義と討議の内容を復習して、レポート執筆に備える。