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最終更新日:2026年10月16日
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高等教育・研究の歴史Ⅱ
科学・技術教育の歴史からみる脱植民地主義とインクルージョンの可能性
この授業では、多言語オープンジャーナルであるEncounters in Theory and History of Education誌の"STEM Education: Tensions and Transdisciplinary Possibilities"特集(2025年第26号)の論文講読を中心に、科学・技術教育の歴史的実践を脱植民地主義的かつ社会史的に読み解くことを目指す。また、あわせて同じ号の他の論文も読解し、英語圏、フランス語圏、スペイン語圏等の教育史・教育論論文の特徴についての考察も行う。
20世紀後半以降、科学・技術はイノベーションと経済発展のために必要だとみなされ政策的振興の対象となってきた。だがそれは、科学・技術教育を通じた人間の序列化を助長し、先進国の一部のエリート文化と科学・技術教育が過度に結びつく結果をももたらした。それは同時に、途上国の人々や女性、障害者やその他の文化的・経済的に恵まれなかった人々を科学・技術から遠ざけて疎外することにもつながった。
近年、そうした状況が科学・技術研究自体の質をも損なってきたとの批判があり、歴史的検証もなされている。何故なら、疎外された大多数の人々の知見は科学・技術に還元されず、結果として、問題のある知識や技術の生産につながった事例もあるからだ。だが、科学・技術教育のあり方に対して、そうした視点から歴史的に検証する作業はまだ充分ではない。
受講生は特集号の論文を読むことで、現在当たり前だと思われてきた科学教育(あるいは理科教育)が、19世紀に特定の文化の影響のもとで出来上がってきたことや、科学と芸術や地域文化とが分離されない科学教育の可能性などについて、歴史的事例を通じて理解することができるだろう。また、欧米系諸語で論文を書くための作法や様式について認識を深めることができる。
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