大学院
HOME 大学院 教育倫理学演習Ⅱ
学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2025年4月21日

授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。

教育倫理学演習Ⅱ

教育と歓待
学校をhomeにつくりかえようとするノディングスらのケア論的学校論や昨今ますますその重要性が指摘されているインクルーシブ教育、あるいは「すべての子どもを受け入れる」という近代公教育の理念は、それぞれのしかたで学校教育と「歓待(hospitality)」の近さを物語るものだと考えることができる。では学校を歓待の場にするとはいかなる事態を指すのだろうか。またそれは可能なのだろうか。歓待として教育が生起することははたしてありうるのだろうか。おとなの世界に子どもを同化させる非歓待のいとなみならざる教育を構想することはできるのだろうか。本演習ではこれらの問いを考察するための思想的リソースとして、ジャック・デリダの歓待をめぐる思考に注目し、できるだけ深くそれを理解することを目指す。レヴィナスや現代のフランスにおける歓待をめぐる議論にも注意をはらうことになるだろう。
MIMA Search
時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
23-211-10
GED-IE6141S1
教育倫理学演習Ⅱ
平石 晃樹
A1 A2
月曜4限
マイリストに追加
マイリストから削除
講義使用言語
日本語、英語、フランス語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教育学研究科
授業計画
以下の予定は暫定的なものであり受講者の関心や進度に応じて変更することがある。 デリダの歓待論の検討の足がかりとして、まず、Derrida, Jacques & Dufourmantelle, Anne, De l’hospitalité, Calmann-Lévy, 1997から読み始める予定である。進度に応じて、2021、2022年に立て続けに出版されたかれの「歓待」をめぐるセミネールの記録集にも挑戦したい。 1.テーマについてのイントロダクション 2~12.デリダの歓待論の読解 13.まとめ
授業の方法
文献講読が中心の授業となる。文献は邦訳のあるものも扱うが、原則として外国語のテクストをベースに検討を進める。本演習であつかうテクストの原文はフランス語だが、英訳での参加も認める。 毎回担当者を決め、訳読、内容、疑問点などについて報告してもらったのち、参加者で検討をする。 担当者は、既存の邦訳、英訳などを参考にしたり翻訳機にかけてみたりすることもできるが、最終的にはじぶんの責任において訳文を作成することが求められる。
成績評価方法
平常点(20%)と最終レポート(80%)により総合的に評価する。
教科書
演習で扱う範囲についてはコピーを配布する。 Jacques Derrida et Anne Dufourmantelle, De l’hospitalité, Calmann-Lévy, 1997. Jacques Derrida, Hospitalité. Volume I. Séminaire (1995-1996), édition établie par Pascale-Anne Brault & Peggy Kamuf, Seuil, 2021. Jacques Derrida, Hospitalité. Volume II. Séminaire (1996-1997), édition établie par Pascale-Anne Brault & Peggy Kamuf, Seuil, 2022.
参考書
ジャック・デリダ『歓待について――パリ講義の記録』廣瀬浩司訳、ちくま学芸文庫、2018. そのほかの文献については授業中に適宜支持する。
履修上の注意
毎回の検討範囲について各自必ず予習しておくこと。 初回では、参加者各自に自己紹介をかねて問題関心について語ってもらうことを予定している。また、初回の授業の最後に担当を決めるので可能なかぎり出席すること。 「教育倫理学演習I」を履修していることが望ましい。