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最終更新日:2025年4月21日

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高等教育・研究の歴史Ⅰ

エリート教育と奴隷の教育
この講義では16−19世紀の西洋世界におけるエリート教育と、その対極にあるものとしての奴隷の教育について対比的に考察する。国民国家の創設に先立ち、いかなる教育の思想と実践があったのか。そして、支配階級の教育や隷属させられるものへの教育は、平等な公教育のための思想といかなる関係を取り結んだのか。こうした問題意識を踏まえながら、各種文献の分析を通じて教育思想史や教育の社会史の視点や手法を身につけることが本授業の目的となる。
「エリート教育」として念頭に置かれるのは勃興期の資本主義に対応したジェントルマン教育であるが、その一種として専門家育成(特に技術官僚、士業など)の教育も念頭に置く。また、帝王教育も射程に入れることとする。「奴隷教育」については、非識字に留め置くことや、当人に有害な結果をもたらす「不適切教育」(miseducation)なども広く含める。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
23-211-06
GED-IE6103S1
高等教育・研究の歴史Ⅰ
隠岐 さや香
S1 S2
火曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教育学研究科
授業計画
暫定的に下記を定めるが、受講生との調整の上変更することもある。 第一部 方法論 1.イントロダクション 報告順の決定 2.教育の思想史と社会史、インテレクチュアル・ヒストリー、ジェンダー史 3.エリート教育の歴史——公教育の歴史との交錯 4.奴隷制と教育——無知学の視点から 第二部 史料検討 5.報告とディスカッション 6.報告とディスカッション 7.報告とディスカッション 8.報告とディスカッション 9.報告とディスカッション 10.報告とディスカッション 11.報告とディスカッション 12.総合討論
授業の方法
歴史研究のための方法論を確認する講義と文献講読を行った上で、一次資料あるいは二次資料を選び、それについての報告を行う。文献は教員が示したリストから選んでも独自に見つけたものでもよいが、一定の条件を満たす必要がある。「第二部」での報告は簡単なものでよいが、受講生は学期末にレポートとしてそれをまとめる必要がある。第二部の報告時間は受講生の人数により変化する。
成績評価方法
平常点(毎時授業の出席状況および議論への貢献度)および担当報告の総合評価とする(前者50%、後者50%)。
教科書
下記の文献については原文をUTOLから配布する。邦訳を用いる場合は独自に入手すること。 紳士の教育 John Locke, Some Thoughts concerning Education, London, 1693. [ロック『教育論(子どもの教育)』邦訳複数] 奴隷の教育(生涯の語り) Thomas Anderson (b. ca. 1785), Interesting Account of Thomas Anderson, a Slave, Taken from His Own Lips (1854) 専門人材の教育 コンドルセ他著『フランス革命期の公教育論』阪上孝編訳、岩波文庫、2003年 [理工科学校の設立、師範学校の設立等の抜粋] 王子の教育(二次文献、フランス語のみ) Pascale Mormiche, « Éduquer le Dauphin : exempla, image du père, éducation exemplaire ? », Bulletin du Centre de recherche du château de Versailles [En ligne], 8 | 2014, mis en ligne le 15 juillet 2014, URL : http://journals.openedition.org/***** ; DOI : https://doi.org/*****
参考書
天野知恵子『子どもと学校の世紀 18世紀フランスの社会文化史』岩波書店、2007年。 上垣豊『規律と教養のフランス史—教育史から読み直す—』ミネルヴァ書房、2016年。 ピエール・ブルデュー『国家貴族 エリート教育と支配階級の再生産』立花英裕訳、藤原書店、2012年、全二巻。 橋本伸也・藤井泰・渡部和行・遠藤修一・安原義仁『エリート教育』近代ヨーロッパの探究4、ミネルヴァ書房、2001年。 A. J. Angulo, Miseducation: A History of Ignorance-Making in America and Abroad, Baltimore, Johns Hopkins University Press, 2016. Charles Coulston Gillispie, Science and Polity in France: The Revolutionary and Napoleonic Years, Princeton, New Jersey, Princeton University Press, 2018. Pascale Mormiche, Devenir prince. L'école du pouvoir en France, XVIIe-XVIIIe siècles, Paris, CNRS, 2009. 他は開講時に指定する。
履修上の注意
初回に欠席する場合は予め連絡をすること。
その他
重要事項は適宜ITC-LMSで告知する