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最終更新日:2025年4月21日

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教育哲学演習Ⅰ

記憶と表象の人間・文化形成論
 教育哲学および教育思想史の知見を基盤として現代における人間形成と教育の問題を考察することはいかにして可能だろうか。本授業では、教育哲学におけるいくつかの鍵概念をとりあげ、関連するテクストを読解しつつ現代の人間と文化の問題を検討する。今回のテーマは、「記憶と表象の人間・文化形成論」である。
 2024年度Aセメスターでは、ドイツの教育哲学者マルクス・リーガー=ラーディッヒ氏のテクストを輪読した。その際、経験や記憶は「分有」しうるかということをめぐって興味深い議論が展開した。重要な観点として浮上したのは、記憶と文化的な媒体(文学、映画、ドラマ等)、理性と感性、言語と非言語などであった。本演習では、その延長線上でさらにこの問題を考えたい。2025年は戦後80年、また阪神・淡路大震災後30年に当たる。記憶の伝承可能性と集合的記憶の形成の問題を、教育の視点も踏まえて論じられるテクストを選び、その内容を吟味する。授業の後半では、リーガー=ラーディッヒ氏を非常勤講師として招き、氏とのディスカッションおよび授業に関するワークショップも予定している。
 本授業を通じて、受講生は(1)教育哲学・思想史の基礎概念および問題構成を習得することができる。(2)現代社会における教育について批判的に論じる基本的な構えを身につけることができる。(3)以上のことを前提としつつ、各受講生の個人研究を批判的に再検討する一視点を得ることができる。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
23-211-01
GED-IE6101S1
教育哲学演習Ⅰ
山名 淳
S1 S2
木曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教育学研究科
授業計画
 テクストごとに担当受講生を決めて報告を行っていただく。その内容をもとにしてディスカッションを行う。上級者においては、個人の研究関心を本授業の問題関心とかかわらせつつ、関連文献を紹介し、議論の発展可能性について考察を行う。 1回目 ガイダンス(自己紹介、テクスト割り振り) 2回目 授業担当者によるレクチャー① 3回目 授業担当者によるによるレクチャー② 4回目 ゲスト・スピーカーによるレクチャー 5回目 報告① 6回目 報告② 7回目 報告③ 8回目 報告④ 9回目 報告⑤ 10回目 報告⑥ 11回目 ワークショップ(7月19日)の準備的授業 12回目 マルクス・リーガー=ラーディッヒ氏の講演およびディスカッション(木4限目に実施) 13,14回目 リーガー=ラーディッヒ氏とのワークショップ「アートと他者への「共感」をめぐって」への参加(7月19日(土)岡本太郎美術館訪問)
授業の方法
 授業担当者によるイントロダクションの後、各テクスト担当受講生による報告(あるいは授業担当者もしくはゲスト・スピーカーによるレクチャー)を行う。その後、まず受講生は各自の感想をメモに記す。その記述をもとにしてディスカッションを行う。ディスカッションの形式(グループ討議か全体討議か)については受講生数によりあらためて判断する。最後に、もう一度リアクションペーパーに各自のコメントを記す。授業担当者は次回授業の最初にそれらを紹介し、次のテクストへと向かう。
成績評価方法
平常点(毎時授業の出席状況および議論への貢献度)および担当報告の総合評価とする(前者50パーセント、後者50パーセント)。
教科書
指定しない。
参考書
山名淳編『記憶と想起の教育学』勁草書房、2022年。 アストリッド・エアル『集合的記憶と想起文化』(山名淳訳)水声社、2022年。 山名淳・矢野智司編『災害と厄災の記憶を伝える──教育は何ができるか』勁草書房、2017年。 その他の参考書については、授業中に適宜指示する。
履修上の注意
「教育哲学演習Ⅱ」も合わせて受講することが望ましい。受講生の積極的な参加を求める。