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最終更新日:2024年10月18日

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教育哲学演習Ⅰ

カタストロフィ・人間・文化
 教育哲学および教育思想史の知見を基盤として現代における人間形成と教育の問題を考察することはいかにして可能だろうか。本授業では、教育哲学におけるいくつかの鍵概念をとりあげ、関連するテクストを読解しつつ現代の人間と文化の問題を検討する。今回のテーマは、「カタストロフィ・人間・文化」である。
 一生のうちにカタストロフィに遭遇しなかった思想家などいたのだろうか。本授業では、個人と社会をその根底から揺るがす困難な状況下で生じた思考を起点として、人間と文化の問題を考える糸口を探る。授業は体系的な構成であるというよりも、授業担当者が選択した複数のテクストを皆で検討する形式を採る。検討するテクストは哲学・思想にかかわるものが多いが、そうしたテクストもまたあくまでも表現の一種であると捉えたうえで、同時代のアートや文学などのような多様な表象との関連性を意識したい。それらの表現の検討によって、制度や慣習に大きな変化をもたらすカタストロフィ状況とはいったい何であるかという問いに迫ってみたい。そのことはまた、ビルドゥングの問題領域と、つまり人間がその周りとの関係性のなかで変化し、またその環境を変化させる力動性の問題領域と関わるはずである。
 本授業を通じて、受講生は(1)教育哲学・思想史の基礎概念および問題構成を習得することができる。(2)現代社会における教育について批判的に論じる基本的な構えを身につけることができる。(3)以上のことを前提としつつ、各受講生の個人研究を批判的に再検討する一視点を得ることができる。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
23-211-01
GED-IE6101S1
教育哲学演習Ⅰ
山名 淳
S1 S2
木曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
教育学研究科
授業計画
 テクストごとに担当受講生を決めて報告を行っていただく。その内容をもとにしてディスカッションを行う。上級者においては、個人の研究関心を本授業の問題関心とかかわらせつつ、関連文献を紹介し、議論の発展可能性について考察を行う。今回のキーワードは「カタストロフィ・人間・文化」である。 4月11日 1回目 ガイダンス(自己紹介、テクスト割り振り) 4月18日 2回目 なぜ「カタストロフィ・人間・文化」か 4月25日 3回目 ゲスト・スピーカーによるレクチャー(カタストロフィと絵画) 5月2日 4回目 (オンデマンド講義) 5月9日 5回目 報告① 5月16日 6回目 報告② 5月23日 7回目 報告③ 5月30日 8回目 報告④ 6月6日 9回目 報告⑤ 6月13日 10回目 報告⑥ 6月20日 11回目 報告⑦ 6月27日 12回目 報告⑧ 7月4日 13回目 報告⑨ 7月11日 14回目 報告⑩(もしくは総括) 7月18日(試験期間)振り返り感想文提出
授業の方法
 授業担当者によるイントロダクションの後、各テクスト担当受講生による報告(あるいは授業担当者もしくはゲスト・スピーカーによるレクチャー)を行う。その後、まず受講生は各自の感想をメモに記す。その記述をもとにしてディスカッションを行う。ディスカッションの形式(グループ討議か全体討議か)については受講生数によりあらためて判断する。最後に、もう一度リアクションペーパーに各自のコメントを記す。授業担当者は次回授業の最初にそれらを紹介し、次のテクストへと向かう。
成績評価方法
平常点(毎時授業の出席状況および議論への貢献度)および担当報告の総合評価とする(前者50パーセント、後者50パーセント)。
教科書
指定しない。
参考書
山名淳編『記憶と想起の教育学』勁草書房、2022年。 アストリッド・エアル『集合的記憶と想起文化』(山名淳訳)水声社、2022年。 山名淳・矢野智司編『災害と厄災の記憶を伝える──教育は何ができるか』勁草書房、2017年。 渡名喜庸哲『現代フランス哲学』筑摩書房、2023年。 渡名喜庸哲・森元庸介『カタストロフからの哲学 ジャン=ピエール・デュピュイをめぐって』以文社、2015年。 その他の参考書については、授業中に適宜指示する。
履修上の注意
「教育哲学演習Ⅱ」も合わせて受講することが望ましい。受講生の積極的な参加を求める。
その他
【重要】A208(赤門総合研究棟)で行います。 おわかりにならない方は、授業初日の午前10時10分頃に山名研究室においでください。