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最終更新日:2026年4月20日

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大規模言語モデルによる人文学研究の方法と課題

大規模言語モデル(LLM)は、単なる情報の検索・出力ツールを超え、人文学における文献読解・分析・記述のプロセスを根底から変容させる新たな知的基盤となりつつあります。本講義では、LLMの特性を人文学の立場から批判的に理解した上で、自身の専門領域(哲学、歴史、文学等)における固有の問いを、AIとの協働によっていかに深化・拡張し得るかを様々なツール・アプリケーションを用いながら実践的に探究します。
講義ではとりわけ文献学を対象とし、LLMの出力の質と信頼性に大きな影響を与えるデータ構造化や検索拡張生成(RAG)等の手法に焦点を当てます。最終的には受講生自らが、自らの研究分野のメソドロジーを活かし、研究目的に特化したAIシステムのプロトタイプを構想・構築することを目指します。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21269014
GHS-XX6A01L1
大規模言語モデルによる人文学研究の方法と課題
田中 一孝
A1 A2
金曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
第1部:人文学においてLLMを活用する 01. ガイダンス:人文学とLLM 講義の全体像と、研究者自身がシステムを構築する意義について。授業で用いるツール・システムの解説。 02. Humanitextの開発プロセスと哲学 講師らが開発した西洋古典特化型AIシステムについての解説。高品質なデータの確保、OCR、構造化、そして「人文学者のためのUI/UX」がいかに設計されたか。 03. 応用手法の展開:Humanitext Aozora 近現代文学(青空文庫)など、人文学テクストをLLMで扱うための具体的な手法と課題。 04. テクストの多次元分析:時間・空間・地理情報 テクストを時間や地理など他の情報と連携したシステム開発について解説。 第2部:RAGの深化と最適化の理論 05. 検索拡張生成(RAG)の基礎と人文学的転用 ・汎用的な生成AIサービスを用いて、公開を前提に簡易RAGチャットシステムを構築するアイデアを考える。 06. 検索拡張生成(RAG)の基礎と人文学的転用:報告と講評 ・05で構築したチャットシステムを共有・報告 07. RAGの最適化を考える ・多言語が混在する資料を踏まえて、RAGを最適化する手法を考える。 第3部:プロジェクトの構想 07. 公開を前提とした資料収集と著作権 ・オープンサイエンスの観点から、公開可能なデータセットの選定と著作権・ライセンスの整理する。 08. 【構想】個別研究支援システム ・自身の人文学的な研究テーマに基づき、どのようなAIシステムが必要かを構想する。 09. 【構想】構想プレゼンテーション ・システムの構想を発表する 第4部:実作業・実装 10~:以降は実作業と開発成果報告を行う。
授業の方法
講義、ディスカッション、グループワーク、自身のPCを用いた具体的作業、プレゼンテーション
成績評価方法
具体的に作成した簡易データベースなどの成果物(30%),システム構想案プレゼンテーション(30%),システム構想などのレポート(40%)
履修上の注意
Pythonプログラミングについての初歩的な知識を身につけていることが望ましい。本講義の実習では、LLMのAPI利用やデータの構造化、RAGの構築にPythonを用いる。未経験者の履修を妨げるものではないが、講義期間中に自学自習で基礎的なコードの読み書きに慣れる意欲が求められます。