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最終更新日:2026年4月20日
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ロシア文化史
エトキント『鞭身派』を読む(3)
ロシアによるウクライナ侵攻(とそこから連鎖的に生じている他国の武力行使)にともない、各国民はどの程度、好戦的政権や戦争を支持しているのか、という問いが浮上した。
一定の国民の支持なしに暴力や言論統制を実行することは不可能だからである。
しかしながら、そのような「国民」は、自明のものとしてあらかじめ存在する社会集団ではなく、政治的・文化的権力によって構成されるものでもある。
近代以降の権力は、国民という概念を生み出しながら、自らそれによって支えられるというパラドクス(あるいは再帰性)のうえに成り立っているのであり、国民という概念は、つねに権力による認識をすり抜けていく掴みがたさをもっている。
本演習では、前年度にひきつづき、ロシアを代表する文化史家アレクサンドル・エトキントの代表作『鞭身派:セクト・文化・革命』を読むことにより、「民衆・国民(ナロード)」が、近代ロシア文化のなかでいかに認識されてきたかを考えていく。
エトキントによれば、ナロードは、ロシア国家による自国植民地化の対象として、抑圧・排除される対象として構成された。ナロードはそうした抑圧過程で、宗教セクトなどの独自の文化を発達させた異質な存在として認識されていく。他方、ロシアの知識人エリートたちは、そうしたナロードを神秘化し、そこにロシア・ナショナリズムの文化的資源を認めた。このように、ナロードの創出を介したナショナリズムの生起に文化は大きな責任をもっている、という問題意識をもちつつ、エトキントの議論を追っていこう。
前年度は、統計的、儀礼的、記号論的、社会学的、民俗学的な観点からの議論を扱ったので、今年度は、下記の授業計画のような点を扱っていく。
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