1920年代の中心的な雑誌『ノヴェチェント』(1926-1929)の創始者、クルツィオ・マラパルテ(1898-1957)は、そのあまりにラジカルな思想ゆえ、反ファシズムに転じた「鬼才」である。そのあまりの扱いにくさゆえ、海外での高い評価に準じつつ、エキセントリックな存在ながらも(「大イタリア人」arciitalianoとは、ある伝記より)、国内の批評の対象にもなってきた。昨今の回帰するファシズムの風潮において特に注目される作家である。日本でも翻訳紹介されてきたが、未だ作品の意義を分析するフレームに乏しい状況である。代表作『壊れたヨーロッパ』Kaputtの精読(第一章 I cavalli)を通じ作家と時代についての理解を深める。