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最終更新日:2026年10月16日

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フランス現代文学研究(2)

アンドレ・ブルトン『ナジャ』を読む
アンドレ・ブルトン『ナジャ』(1928)は、恋愛の物語であると同時に、シュルレアリスムにおける「ドキュメント」という概念をめぐる実験的な書物である。シュルレアリストにとってドキュメントとは、文学の内部に閉じこもるのではなく、日常そのものを記録し、そこから「詩のない詩」を引き出すための方法であった。ブルトンは自らの生を一つの作品、一つのドキュメントとして演出し、『ナジャ』を「航海日誌=経験の記録」として構想する。作中には手紙やメモ、デッサン、写真といった一次資料が組み込まれ、語りは医学的観察になぞらえられた冷静な調子を帯びることで、フィクション(小説的作話)への対抗が明確に打ち出される。しかし、ドキュメントは単なる証拠にとどまらない。それらは読者に能動的な読解を要求し、写真とテクストのずれや反復、配置の時間差が「客観的偶然」や既視感を生み、出来事と連想、内的現実と外的現実のあいだに不気味な緊張を作り出す。多くの写真が一見平凡であることもまた、驚異が対象そのものではなく、それを見る態度のうちに生まれることを示している。今回の演習では、『ナジャ』を自伝的物語、シュルレアリスムのマニフェスト、経験の記録という複数の視点から読み直し、ドキュメントと写真がいかにして経験を物語へと組み替え、読者自身に「読むことの経験」を要求する装置として機能しているのかを検討する。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21263252
GHS-EA6B02S4
フランス現代文学研究(2)
塩塚 秀一郎
A1 A2
月曜3限
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講義使用言語
日本語/フランス語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
可
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
1.イントロダクション 2.「現場でとらえられた」資料 3.私とは誰か? 4.鍵をさがさないですむ書物、ガラスの家 5.まず出発点として、偉人ホテルをとろう……  6.ある教会の前の、あそこ、名前を忘れたかそれとももともと知らないあの交差点 7.ON SIGNE ICI → 8.人生は暗号文のように読み解かれることをもとめているのかもしれない 9.街路という自分にとってただひとつ価値のある体験の場 10. 大通りの上にまたたく「マズダ」の照明広告…… 11. かつて自分で見たときの特別な角度からそれらの場所の写真をとり…… 12. グレヴァン蝋人形館の…… 13. 予備日
授業の方法
意味の切れ目ごとに、少しずつ分担して訳してもらう。単なる訳だけではなく、自らの体験など何でも良いのでテクストから思い浮かべたコメントを付けること望む。また、Pléiade 版などの注釈を読み、概略を紹介することも、分担者の役割とする。
成績評価方法
授業への参加度(出席状況、発表の出来)と期末のレポートを勘案して評価する。 演習への参加者が少ない場合、授業への貢献のみで評価する場合もある。
履修上の注意
フランス語の文章をある程度読み慣れていること。