学内のオンライン授業の情報漏洩防止のため,URLやアカウント、教室の記載は削除しております。
最終更新日:2026年10月16日
授業計画や教室は変更となる可能性があるため、必ずUTASで最新の情報を確認して下さい。
UTASにアクセスできない方は、担当教員または部局教務へお問い合わせ下さい。
西洋神秘主義思想史(2)
西洋神秘主義思想史(2)
「神秘主義(mysticism, mystique, Mystik)」は、19世紀末から20世紀半ばにかけて、「宗教の本質への問い」と直結する特別な主題とみなされ、数多くの学者や思想家たちを惹きつけてきた。しかし、とくに20世紀後半以降の宗教研究においては、近代的な神秘主義理解のもつ偏りや歪みが批判され、神秘主義はかつてそれが放っていたような思想的魅力を失っていった。たほう、近代主義を超えた知のありかたを模索する現代の人文学の展開は、神秘主義の新たな思想的可能性を見出すことを促してもいる。神秘主義「再考」のためにまず要請されるのは、「神秘」なるものをめぐるさまざまな思想や実践の展開を歴史のなかに探ること、なかんずく神秘の「経験」をめぐるテクストに沈潜し、そこに息衝く別様の知を掬いあげることである。
以上の見通しのもと、本講義では、現代的な神秘主義研究の諸前提および西洋中世までの神秘をめぐる知の変遷の歴史を簡単にふりかえったうえで、その歴史を20世紀まで辿りたい。それまで修道院で培われていた霊性がヴァナキュラー化(俗化・民衆化)し、女性を主要な担い手として神秘主義的な経験知が開花するラテン・ヨーロッパの中世(13世紀~14世紀)、神秘の語りがひとつの領域を形成して実名詞としての「神秘主義(la mystique)」が初めて登場する近世(16世紀スペイン、17世紀フランス)を経て、18世紀以降西洋近代の知の「他者」として神秘主義が複雑に展開してゆくさまを概観する。
MIMA Search