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最終更新日:2025年4月1日

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デジタル人文学の研究基盤1

デジタル人文学の研究基盤1
人文学におけるこれまでの研究は、紙媒体を前提として長く育まれてきた膨大な暗黙知によって成立し発展してきた。この暗黙知を意識する必要が出てきたのはデジタル媒体を避けて通れない状況が現出したからに他ならない。欧米ではすでにTEI(Text Encoding Initiative)等の取り組みにより、写本研究から言語コーパスに至るまで、テキストに内在する暗黙的な構造を明らかにしてデジタル媒体へと還元し、デジタル人文学における「方法論のコモンズ(Methodological Commons)」という基本理念を体現してきた。一方、日本をはじめとする非欧米文化圏の人文学は未だこの動向への参画が決して十分とは言えず、ここから学び得ることは少なくない。

また、ウェブを中心としたデジタル学術情報基盤の世界では、研究データや資料を相互に接続し知識基盤を構築する枠組みとしてRDF(Resource Description Framework)が浸透しつつあり、さらに、専門分野における概念同士の関係性や人物・地名の関係といった知識の記述自体にもこれを用いようとする動きが広まりつつある。一方、コンピュータを用いた大規模なデータの管理や利用には関係データベース(Relational Database: RDB)が広く用いられてきた。各種のデジタルアーカイブやウェブサービスの多くはRDBに支えられており、技術者の層も厚い。表形式のデータに対して柔軟かつ高速な絞り込みや演算を行うことができるRDBは、人文学研究においても有用である。

本授業では、人文学がこれまで積み重ねてきたデジタル技術による暗黙知の明示的構造化の状況について概説するとともに、デジタルアーカイブをはじめとする研究基盤の内実を理解することを目的とする。また、情報システム間の相互運用性や知的財産権など、デジタル研究基盤を取り巻く諸課題について取り上げ、洋の東西や分野の違いを問わず、デジタル媒体を前提とした研究環境へと適切に対応するための基礎を涵養することを目指す。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21259002
GHS-XX601LE1
デジタル人文学の研究基盤1
大向 一輝
S1 S2
火曜2限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
各回のテーマは以下の通りである。個々の技術の理解・習得だけでなく、これらの技術が内包する課題や限界、普及の経緯についても触れる。履修者自身が人文学と情報技術の関わりを批判的に捉えつつ、研究活動に生かせるようになることが目的である。なお、各回で紹介する技術のうち主なものについても挙げているので参考にされたい。 ・イントロ・研究基盤の事例 ・研究基盤・デジタルアーカイブの全体像 ・メタデータ(書誌情報・ID) ・コンテンツ(テキスト・画像・マルチメディア・撮影・スキャン) ・知識(固有表現・時空間情報・POS) ・データ構造化(表形式・RDB) ・データ構造化(ツリー・XML・TEI) ・データ構造化(ネットワーク・RDF・知識グラフ) ・相互運用性(スキーマ・API・IIIF・標準化) ・アプリケーション(検索・GIS・ウェブ) ・情報システム・ワークフロー(MVC・OAIS) ・知的財産権とライセンス(著作権・CC・肖像権) ・研究基盤の課題
授業の方法
ハイブリッド形式で実施する。講義形式で行うが、一部実習を伴う場合がある。インターネット上の資料やサービスにアクセスするため、パソコンとオンライン接続環境を必須とする。パソコンはWindows・Mac・Liunxを問わない。
成績評価方法
各回の講義時に指示する課題の提出および期末のレポートによる。
教科書
とくに指定しない。
参考書
『欧米圏デジタル・ヒューマニティーズの基礎知識』(文学通信) 『人文学のためのテキストデータ構築入門』(文学通信) 『IIIFで拓くデジタルアーカイブ コンテンツの可能性を世界につなぐ』(文学通信) 『歴史情報学の教科書』(文学通信) 『日本の文化をデジタル世界に伝える』(樹村房) 『デジタル学術空間の作り方』(文学通信)
履修上の注意
人文社会系研究科「デジタル人文学プログラム」の修了を希望する場合には本授業は必修である。 プログラムの詳細は関連ホームページを参照のこと。