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最終更新日:2025年4月1日

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首都と地域からみる日本美術史(1)

首都と地域からみる日本美術史
これまでの日本美術史は、古代から現代の首都である奈良、京都、江戸、東京を中心に語られてきた。公武聖俗の権力が基盤置いた首都には政治・経済・文化を主導するパトロンたちがおり、彼らと専属的な関係を結んだ制作者(絵師・仏師・職人など)たちの活動の舞台となった。首都で制作された作品は国内各地に輸送され、各地域の拠点で消費されることも多々あった。中世には、地域拠点で生産された品々が中央で享受されはじめ、近世大名家の成立によって都鄙間の美術交流は活発化する。また、外国との貿易港であった博多・堺・長崎などでは、異文化の流入によって特色ある作品が成立している。首都に展開した規範的な様式と、いわゆる地方様式との間の差異はどこにあるのかについても俯瞰的に捉えてみたい。
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時間割/共通科目コード
コース名
教員
学期
時限
21255007
GHS-CR601LA1
首都と地域からみる日本美術史(1)
高岸 輝
S1 S2
火曜4限
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講義使用言語
日本語
単位
2
実務経験のある教員による授業科目
NO
他学部履修
開講所属
人文社会系研究科
授業計画
主として平安・鎌倉・南北朝・室町・桃山・江戸の美術に関して、まずは首都のパトロン・制作者の活動状況を現存作品と史料から読み解く。 特に制作者に関し、平安時代の絵師工房の成立、鎌倉初期の南都復興に伴う京都と奈良の交流、南都絵所の成立、京都における高階隆兼一派の活動、室町時代以降における土佐派・狩野派の興隆といったトピックが挙げられる。こうした畿内の動きとは別に、鎌倉時代には鎌倉の地にも絵画の制作者集団がいた可能性があり、室町時代には西国の大名・大内氏の膝下で雪舟の活動が特筆される。近世大名家の成立以降は、江戸の狩野派を頂点に、諸藩のお抱え絵師が各地の城下で活動し、京都では土佐派が命脈を保った。また、近代以降の美術作家たちについては、各地の美術館で郷土の芸術家として顕彰・展示され、認知度が高まっている。本講義は、「日本」全体を対象とする美術史構築の試みもである。
授業の方法
これまでに各地で行ってきた美術品の調査画像と資料を基盤とし、近年の展覧会で扱われた都鄙関係のトピックを交えつつ講じる。
成績評価方法
各回の小課題、および期末のレポートによる。
教科書
なし
参考書
講義中に指示する。
履修上の注意
各地で開催される展覧会の紹介を行うので、積極的な見学を推奨する。また、各自の出身地やゆかりのある地域の美術について、関心を深めていただきたい。