芸術作品の存在論

　「芸術とは何か」という最も基本的な問いは、「芸術の定義」と「芸術作品の存在論」という二つの別個の論題に分けられる。この二つのテーマを中心として編まれたアンソロジーからいくつかの論文を選んで輪読する。著者は、ティモシー・ビンクリー、ノエル・キャロル、アーサー・ダントー、ジョージ・ディッキー、ロバート・ステッカー、ジョセフ・マゴ―リス、モンロー・ビアズリー、スティーブン・デイヴィスら。芸術哲学の関連論題も適宜参照しつつ、議論する。

テキストの輪読による。テキスト所収の諸論考の中から、受講者の専門分野等を考慮して論文を選択する。 輪読テキストの第一・第二候補として、次を挙げておく。 Bence Nanay "The Aesthetic Experience of Artworks and Everyday Scenes" The Monist, 2018, 101, 71–82 Brock Rough "The Incompatibility of Games and Artworks" Journal of the Philosophy of Games Vol.1, No 1 2017 これらの論文以外に、受講者がとくに読みたいと思う論文を提示していただければ、そちらを先に取り上げることにする。ただし、分析的・基礎哲学的な傾向の論文を優先させていただく。

出席状況と発表による。

「予備テキスト」として、こちらで用意した論文を５編、以下に提示してある。 https://drive.google.com/*****

適宜指示する。

芸術作品についての専門知識は必要ないが、特定の芸術形式、ジャンルについての問題意識を持っていることが望まれる。

初回より対面で開講する。